◎事故は先月29日に発生。地元の神学校の生徒と教師を乗せた木製ボートが何らかの理由で転覆した。
2023年1月31日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のダム湖、行方不明者を捜索する陸軍の兵士(Inter Services Public Relations)

パキスタン軍は31日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のダム湖で発生したボートの転覆事故について、これまでに51人の死亡を確認したと発表した。

軍報道官によると、事故は先月29日に発生。地元の神学校の生徒と教師を乗せた木製ボートが何らかの理由で転覆した。

警察は29日の声明で25人が乗船していたと発表したが、その後乗員数を57人に訂正した。

州警察は陸軍に支援を要請し、兵士数十人が救助活動に参加した。

軍報道官によると、警察は5人を救助し、残り1人の捜索を続けているという。死亡した51人の大半は生徒と伝えられている。身元は明らかにされていない。

軍報道官は「ボートは定員を大きくオーバーしていたとみられ、誰一人ライフジャケットを着用していなかった」と説明。警察は業務上過失致死傷を視野に捜査を進めるとしている。

ボートの所有者の遺体は31日に収容された。

ダム湖の周辺には生徒の保護者や関係者が集まり、警察の知らせを待っていた。

陸軍が公開した写真には行方不明者を探すダイバーと兵士の姿が映っている。警察は救助された生徒3人が医療機関に搬送される写真を公開した。警察によると、救助された5人の容体は安定しているという。

地元警察によると、このダム湖では過去にも何度か転覆事故が発生していたため、警察はレクリエーション目的で湖に入ることを禁じていた。

今回の転覆事故と同じ日に南西部バルチスタン州で発生した旅客バスの転落・炎上事故では41人が死亡している。

2023年1月29日/パキスタン、南西部バルチスタン州、橋から転落したバスの残骸(Getty Images)
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