◎アフガニスタンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州ではテロ攻撃が相次いでいる。
2023年12月12日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州デライスマイルカーン、自爆テロで損壊した警察署(Zubair Khan/AP通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で正体不明の武装勢力が裁判官を誘拐した。捜査当局が28日、明らかにした。

それによると、事件は同州デライスマイルカーン近郊の道路で27日夕方に発生。裁判官を乗せた車が待ち伏せ攻撃を受けたという。運転手にケガはなかった。

犯行声明を出した組織は確認されていないが、TTP(パキスタンのタリバン運動)に疑惑の目が向けられそうだ。

カイバル・パクトゥンクワ州の武装勢力が裁判官を襲うのは異例である。

地元テレビ局は裁判官の捜索活動に陸軍のテロ対策チームが加わったと伝えている。

アフガニスタンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州ではテロ攻撃が相次いでおり、その多くにTTPが関与している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

デライスマイルカーンでは先週末にも銃撃事件があり、税関職員2人が死亡、3人が負傷している。

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