◎炭疽菌は通常、牛、羊、ヤギなどの家畜や野生の草食動物に感染する。ヒトも家畜や汚染された動物性食品に触れると感染する可能性がある。
ラオス人民民主共和国、首都ビエンチャン(Getty Images)

タイ政府は29日、隣国ラオスで50人以上が炭疽菌に感染したと報告されたことを受け、関係機関にラオス国境沿いの家畜を厳重に監視するよう命じた。

首相府の報道官は声明で、「ラオス国内で炭疽菌に感染した市民が確認されたという報告を受け、ラオス当局と緊密に連絡を取り合っている」と明らかにした。

また報道官は「関係機関に家畜の動きを監視するよう命じ、国内で感染が報告された場合に備えてワクチンを準備している」と述べた。

炭疽菌は通常、牛、羊、ヤギなどの家畜や野生の草食動物に感染する。ヒトも家畜や汚染された動物性食品に触れると感染する可能性がある。

世界保健機関(WHO)によると、炭疽菌は一般的に動物からヒトに感染し、極稀にヒトからヒトに感染することもあるという。

タイ国営テレビは当局者の話しとして、「畜産農家にラオスから持ち込まれた家畜を隔離し、疑わしい症例を確認した時は直ちに報告するよう勧告した」と伝えている。

タイ首相府によると、ラオス当局から少なくとも54人が炭疽菌に感染したという報告を受けているという。

ラオスの国営メディアは今月初め、タイと国境を接する南部地域で多くの家畜が死に、炭疽菌に感染したヒトが確認されたと報じていた。

それによると、ヒトが死亡したという報告は今のところないという。

炭疽病はアフリカ大陸でもヒトへの感染が多数報告されている。

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