◎「特定の薬用シロップ剤」を服用した児童は急性腎障害を発症し死亡している。
2022年10月20日/インドネシア、首都ジャカルタの薬局、シロップ剤を回収する従業員(Getty Images)

インドネシア政府は21日、今年に入ってから薬用シロップ剤を服用し死亡した児童の数が99人から133人に増加したと発表した。

保健省によると、亡くなった児童が服用したシロップ剤にはごく微量のジエチレングリコールとエチレングリコールが含まれていたという。

「特定のシロップ剤」を服用した児童は急性腎障害を発症し死亡している。

保健省は21日の会見で、「死亡した児童の家庭で回収した102種類のシロップ剤からジエチレングリコールとエチレングリコールが検出された」と報告した。

政府は20日に全てのシロップ剤の販売・処方を禁じる緊急命令を出している。保健省はこの102種類の調査を進めているとした。

ガンビア政府が今月初めに報告したシロップ剤服用による児童の大量死でも対象の製品からジエチレングリコールとエチレングリコールが検出されている。

世界保健機関(WHO)はガンビアで販売されたインドの製薬会社メイデン・ファーマシューティカルズの4製品からこの物質が検出されたと報告し、それが急性腎障害を引き起こした可能性があると警告した。

インドネシアのサディキン(Budi Gunadi Sadikin)保健相は21日の記者会見で、「これまでに22の州で急性腎不全を発症した児童241人を確認し、このうち133人が死亡した」と説明した。亡くなった児童の大半が5歳以下だという。

またサディキン氏は「死亡した7人の体内からジエチレングリコール、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテルという有害物質が検出された」と述べた。

国の食品医薬品当局は過剰なレベルの有害物質を含んでいた国産製品を挙げ、メーカーに製造停止と残品の廃棄を命じた。

サディキン氏は「シンガポールから輸入された医薬品を服用した児童の体調が改善したという報告を受けている」と明らかにし、関係機関と協力してシロップ剤を服用した児童の支援と必要な医薬品を調達する予定と説明した。

地元メディアによると、例年、急性腎障害を発症する児童は毎月2~5人報告されているという。

ガンビア政府もWHOと協力してこの問題の調査を進めている。インド政府は先週、メイデン社に生産活動を停止するよう命じている。

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