◎パプアの先住民族であるパプア人とインドネシア当局の対立は半世紀以上続いている。
インドネシア、パプア州、デモ隊と警察(Getty Images/AFP通信)

インドネシアの警察当局は1日、西パプア州の分離主義者による攻撃で建設作業員4人が死亡し、遺体を収容したと発表した。

州警察の報道官によると、事件は9月30日に発生したという。武装勢力は州内の遠隔地で行われている道路工事現場を襲撃した。

建設作業員5人が近くの軍施設に避難。別の3人はジャングルに身を隠し、難を逃れた。報道によると、女性労働者1人の行方が分からないという。

武装勢力は銃もしくは刃物で4人を殺害したとみられる。報道官は「4人のうち2人の遺体は焼かれ、残り2人には銃創と刺し傷があった」と説明した。

軍と警察は「西パプア民族解放軍(TPNPB)」が攻撃に関与したとみて捜査を進めている。

この公共工事には地元の建設会社も参加し、建設作業員数十人を派遣していた。

報道によると、TPNPBの報道官は攻撃に関与したことを認めたという。

TPNPBの報道官はAP通信の取材に対し、「州内の全ての企業は政府のプロジェクトに関与してはならず、関与した者は敵とみなす」と述べた。

また報道官は「西サモア州は占領者による開発を望んでおらず、独立を達成次第、自分たちで道路を建設する」と主張した。

報道官は公共工事に関与した企業や個人をインドネシア政府のスパイと見なし、殺害すると警告した。

インドネシア政府は西パプア州とパプア州に多くのジャワ人を移住させ、経済開発を進めている。

インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。パプアの先住民族であるパプア人とインドネシア当局の対立は半世紀以上続いている。

インドネシア政府は国連が主導した1969年の投票でパプアを編入した。それ以来、西パプア州とパプア州では暴力的な反政府運動が展開されている。

今年3月には、反政府組織「自由パプア運動(OPM)」の戦闘員とみられる男たちが通信塔を修理していた技術者8人を射殺した。

2018年12月には建設作業員と兵士少なくとも31人が殺害されている。

攻撃はこの1年で急増し、数十人が命を落としている。

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