◎FIFAは試合会場で群衆を統制するためにガスを携帯したり、使用してはならないと定めている。
2022年10月1日/インドネシア、東ジャワ州のサッカースタジアム(Getty Images/AFP通信)

インドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は7日、東ジャワ州マランのカンジュルハン・スタジアムで発生した暴動と群衆事故について、国際サッカー連盟(FIFA)から制裁を科されることはないと明らかにした。

カンジュルハン・スタジアムのホームチームであるアレマFCの一部のサポーターは先週、トップリーグの公式戦でライバルチームのペルセバヤ・スラバヤに2ー3で敗れたことに激怒し、ピッチになだれ込んだ。

警察は暴動を抑えるために催涙ガスを使用し、多くのサポーターがピッチの出口に殺到。子供17人を含む131人が死亡した。

ジョコ氏によると、FIFAのインファンティーノ(Gianni Infantino)会長はインドネシアサッカー協会(PSSI)に宛てた書簡の中で、来年予定されているU-20ワールドカップのインドネシア開催を容認したという。

ジョコ氏はツイッターと自身のユーチューブチャンネルに声明を投稿。「FIFAは制裁を科さなかった」と報告した。

ジョコ氏は現場を視察した際、「出口ゲートが施錠されていたため、そこに殺到したサポーターは逃げ場を失い、群衆事故に発展した」という見方を示していた。

しかし、一部の専門家は警察が催涙ガス弾を使用した結果、子供を含む数百人がパニックを起こしゲート付近に殺到したと指摘。ガス弾を使わなければ全く違う結果になっていたと警察を非難している。

FIFAは試合会場で群衆を統制するためにガスを携帯したり、使用してはならないと定めている。

一部のメディアは「警察がゲートをふさいでいた」と報じている。

ゲート近くに殺到したサポーターは将棋倒しとなり、窒息した。警察官2人を含む少なくとも34人がスタジアム内で死亡している。

FIFAはスタジアム内でのガス使用を禁じるだけでなく、試合中は常にゲートの鍵を開けておくよう勧めている。

ジョコ氏はユーチューブの声明で、「インドネシア政府はFIFAおよびPSSIと協力し、同じような悲劇を二度と起こさないために、スタジアムの安全性を向上させることに同意した」と述べている。

報道によると、FIFAのインファンティーノ氏は近いうちにインドネシアを訪問する予定だという。

PSSIは熱くなりやすいサポーターの扱いに苦労しており、インドネシアのプロリーグは世界で最も危険なリーグのひとつとして知られるようなった。

来年のU-20ワールドカップの開催権を得たことはインドネシアサッカーにとって大きな成果であり、大会の成功でサポーター問題を解決することができるかもしれないという機運が高まっている。

先週末の事故以来、国内リーグは中断を余儀なくされている。東ジャワ警察によると、この事故でピッチに入ったサポーターは3000人ほどで、残り約3万9000人は観客席にとどまったという。

ジョコ氏は警察と関係閣僚に事故の徹底調査と再発防止策の策定を命じている。

国家警察の長官は暴力的な取り締まりを行ったとされる警察官9人を停職処分とし、さらに6人を刑事告発するとしている。

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