◎ラジャスタン州政府はインターネットサービスを停止し、大規模集会を禁じている。
2022年6月29日/インド、西部ラジャスタン州ウダイプール、ヒンズー教徒斬首事件に抗議する人々(Getty Images/AFP通信)

インド西部ラジャスタン州で29日、ヒンズー教徒の男性がイスラム教徒に斬首された事件に抗議するデモが行われ、一部地域で暴動に発展した。

被害者の男性は同州ウダイプールの仕立て屋で、28日にイスラム教徒2人に襲われ、首を切り落とされた。2人は斬首の様子を撮影し、ソーシャルメディアに投稿している。

警察は2人を殺人罪で逮捕した。

ラジャスタン州政府はインターネットサービスを停止し、大規模集会を禁じている。

地元メディアによると、容疑者は殺害した男性が与党「インド人民党(BJP)」の報道官2人が預言者ムハンマドを侮辱した発言を支持したため、殺害したという。

この報道官2人は先月末、テレビ討論会の中で、「コーラン(イスラム教の聖典)は世の中は平等だと述べているが、バカげたことを言うな」などと発言し、預言者ムハンマドを侮辱した。

この発言は世界に波及し、少なくとも5つのアラブ諸国が公式に抗議している。

容疑者はソーシャルメディアに投稿した動画で斬首を自慢し、包丁を振り回しながらモディ(Narendra Modi)首相を脅迫した。警察は斬首動画を「凄惨極まりない」と非難し、メディアに放送しないよう要請している。

ラジャスタン州政府は市民に外出を控えるよう促している。

連邦政府は対テロ機関に事件の調査を命じた。

動画によると、2人は客の振りをして仕立て屋に入り、男性が寸法を測っている時に襲いかかった。

この男性はムハンマド侮辱発言を擁護するコメントをSNSに投稿していたと伝えられている。

現地紙インディアン・エクスプレスは警察筋の話を引用し、「この男性は殺害される3週間前、暴力を扇動する発言をしたとして逮捕されていた」と報じている。同紙によると、男性は釈放後、警察に保護を求めていたという。

モディ首相は犠牲者に哀悼の意を表し、容疑者は罪に問われるとした。

BJPに所属する元ラジャスタン州首相は、「州内で共産主義の暴力が蔓延している」と非難した。

連邦議会の一部議員は事件に抗議するデモを首都ニューデリーで開催すると述べている。

野党のガンジー(Rahul Gandhi)議員は殺人に深い衝撃を受けたとし、2人を極刑に処すよう求めた。

著名なイスラム教団体も事件を糾弾している。「いかなる理由があろうと、法律を超えることはできません。インドは法治国家です...」

2022年6月28日/インド、西部ラジャスタン州ウダイプール、斬首事件の現場に集まるヒンズー教徒(AP通信)
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