◎中国は国内で消費する電力の大部分を石炭火力で賄っており、鉱山の安全性向上に向けた取り組みを進めている。
中国の炭鉱(Getty Images)

中国の国営メディアは22日、北部の内モンゴル自治区にある露天掘り鉱山で崩落事故が発生し、少なくとも2人が死亡、50人以上が行方不明と報じた。

新華社通信によると、事故が発生したのは自治区の郊外にある内蒙古新京煤化工有限公司が所有する鉱山。6人が救助されたものの、53人が行方不明だという。

中国中央テレビ(CCTV)が報じた映像には赤みがかった土砂が斜面をかけ下り、下を移動する車両に降り注ぐところが映っていた。

CCTVは習近平(Xi Jinping)国家主席が行方不明者の捜索・救助、負傷者の治療に全力を尽くすよう命じたと報じている。

CCTVによると、救助車両129台と隊員300人以上が現地に派遣されたという。

一方、新華社通信は関係者の話を引用し、「内蒙古新京煤化工有限公司の関係者が拘束された」と報じた。新華社によると、この企業は昨年、複数の違反行為で罰金と警告を受けたという。

内モンゴル自治区は石炭、様々な鉱物、レアアース採掘の拠点である。

中国は国内で消費する電力の大部分を石炭火力で賄っており、鉱山の安全性向上に向けた取り組みを進めている。

中国ではここ数カ月、安全教育の不備、役人の汚職、利益を追求する企業の手抜きなどによる事故が多発している。

中部河南省の安陽(あんよう)市で昨年11月に発生した工場火災では38人が死亡。会社の関係者とみられる4人が拘束された。

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