オーストラリア政府、キャピタルゲイン税改革を修正、経済界の反発受け
今回の税制改革は5月に公表された2026~27年度予算の柱の一つである。
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オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相は18日、先月打ち出したキャピタルゲイン課税(CGT)について、中小企業への負担を軽減するための修正案を発表した。改革案に対して企業団体や起業家から反発が相次いだことを受け、政府は制度の一部を見直し、対象企業の範囲や例外措置の導入に踏み切った。
今回の税制改革は5月に公表された2026~27年度予算の柱の一つである。政府は現在の「保有期間1年以上の資産売却益に対する50%課税割引」を廃止し、代わりにインフレ調整後の実質利益に課税する新制度を導入する方針を示していた。また、純キャピタルゲインに対する最低税率30%の適用も盛り込まれており、不動産投資優遇策の見直しと合わせて、住宅価格の高騰抑制や税制の公平性向上を目指している。
しかし、こうした改革に対しては、中小企業やスタートアップ企業から「事業売却や投資回収が困難になる」「成長意欲を損なう」との批判が噴出した。経済団体も外国投資が減少し、企業の拡大や雇用創出を阻害する可能性があると警告していた。
これを受け政府は、中小企業向けCGT優遇措置の適用条件を大幅に拡大する方針を決定した。従来は年間売上高200万豪ドル以下の企業が対象だったが、これを1000万豪ドル以下に引き上げる。政府によると、この変更により国内約270万社、全事業者の98%が優遇措置を利用できるようになるという。さらに、既存の4種類の中小企業向けCGT優遇制度は維持され、そのうち1制度については適用範囲が拡大される。
また、スタートアップ企業向けの特別措置も検討される。創業初期段階では利益よりも成長投資を優先する企業が多いことから、政府は新興企業に対する追加的な税優遇策を協議する方針を示した。加えて、相続を目的とする一部の信託については、新たな最低税率制度の適用対象から除外する方針も打ち出した。
チャーマーズ(Jim Chalmers)財務相この修正によって企業の懸念に対応しながらも、税制改革の基本理念は維持されると強調した。一方で野党や経済界からは、修正後もなお投資環境への悪影響を懸念する声が残っている。政府は今後、議会審議や業界との協議を通じて詳細な制度設計を進める考えだが、税制改革をめぐる論争は引き続き大きな争点となりそうだ。
