◎ASEANは昨年、▽暴力の即時停止▽ASEAN特使の任命▽すべての利害関係者が参加する協議を行うようミャンマー軍に求めた。
2022年8月3日/カンボジア、首都プノンペン、ASEAN外相会議の開会式(Tang Chhin Sothy/AFP通信/Getty Images)

ASEAN(東南アジア諸国連合)外相は5日、ミャンマー軍をグループ会議から完全に締め出すことで合意した。

外相たちはカンボジアの首都プノンペンで行われた外相会議最終日の記者会見で、「ミャンマー軍は行動しなければならない」と語った。

カンボジアのソコン(Prak Sokhonn)副首相兼外相は昨年4月にミャンマー軍が合意した5項目が履行されていないと非難し、今年11月に予定されている地域サミットまでに行動を起こすよう要求した。

またソコン氏は、ミャンマー軍が5項目を軽視していることに失望を表明した。

外相たちは共同声明でASEAN憲章第20条に言及し、「年末の首脳会議までに問題を解決しなければ行動を起こす可能性がある」とし、制裁を示唆した。

一方、ミャンマーの自称大統領であるフライン(Min Aung Hlaing)司令官は5項目について、コロナウイルスの感染拡大や騒乱、テロへの対応に追われ、履行は困難だったと釈明している。

ミャンマー軍は昨年2月にアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏ら民主派指導者を拘束し、軍事政権を発足させた。

現地メディアによると、抗議デモなどに参加し殺害された市民は2100人を超えた。先月には民主活動家4人が処刑されている。

一方、ミャンマーの国営英字紙ミャンマーの新しい灯は6日、ASEAN外相の声明を一蹴し、「ミャンマー政府は独自の5項目を履行している」と主張した。

同紙は、「ミャンマー政府はすべてのASEAN加盟国がASEAN憲章の規定と基本原則、特に平等、包括性、内政不干渉を尊重する場合にのみ、ASEANは長期的にその統一性を維持できると考えている」と報じている。

フライン氏に任命された自称外相はプノンペンに招待されていない。この自称外相は2月の外相会合にも参加できなかった。フライン氏は昨年の首脳会議から除外された。

カンボジアのソコン外相は先月執行されたとみられる民主活動家4人の処刑を改めて強く非難した。

マレーシア外相は軍事政権に厳しいアプローチを取るよう要求している。また同外相は選挙で選出された議員らで構成される国家統一政府(NUG)にASEANに関与するよう求めている。

フィリピン、インドネシア、シンガポールもより強固な対応に方針を転換した。

ASEANは昨年、▽暴力の即時停止▽ASEAN特使の任命▽すべての利害関係者が参加する協議を行うようミャンマー軍に求めた。

外相たちは声明の中で、ASEAN特使とすべての関係者との会談を認めるよう軍に強く求めた。

ASEAN特使は最初の訪問でスーチー氏との会談を希望したが、拒否されている。

スーチー氏は非公開の場所に隔離され、秘密裁判にかけられ、複数のでっち上げ訴訟で懲役100年以上を宣告される可能性がある。

ミャンマーは前軍事政権下の1997年にASEANに加盟した。

国連によると、昨年2月以降の軍の弾圧により、数十万人が避難を余儀なくされたという。国際NGOや人権活動家は市民に対する攻撃を「戦争犯罪」と非難している。

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