ペルー大統領選、投票用紙の配送トラブルにより1日延長
投票は12日に全国一斉で行われる予定であったが、物流の混乱や準備不足により一部の投票所が開設できず、長時間の待機を強いられる有権者が相次いだ。
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南米ペルーで4月12日に行われた大統領選挙の第1回投票について、投票用紙の配送遅延など深刻な運営上の不備により、投票日が1日延長された。首都リマを中心に多数の投票所で用紙が届かず、選挙当日に投票できない有権者が続出したことが原因である。
当初、投票は12日に全国一斉で行われる予定であったが、物流の混乱や準備不足により一部の投票所が開設できず、長時間の待機を強いられる有権者が相次いだ。この事態を受けて選挙管理委員会は対応を迫られ、約5万2000人の有権者に対して13日まで投票日を延長する措置を決定した。延長措置は国内だけでなく、米フロリダ州オーランドやニュージャージー州など海外の投票所にも適用された。
ペルーでは18歳から70歳までの国民に投票義務が課されており、棄権した場合には罰金が科される制度となっている。このため、投票機会の喪失は有権者の権利だけでなく義務履行にも影響する重大な問題と受け止められた。選挙の混乱は制度への信頼性を揺るがす事態ともなっている。
今回の大統領選には過去最多規模となる35人が立候補し、政治的分断の深さが際立っている。近年のペルーは政権交代や大統領の逮捕・起訴が頻発し、この10年で9人目の大統領が選ばれるなど、政治の不安定さが続いている。
また、治安悪化や汚職問題への不満が国民の間で強く、選挙戦では犯罪対策が最大の争点となった。候補者の中には大規模刑務所の建設や死刑制度の復活といった強硬策を掲げる者もおり、有権者の不安の大きさを反映している。
一方、有権者の間では政治家への不信感も根強い。リマで投票に並んだ市民からは、治安の悪化に対する危機感とともに、「政治家は約束を守らない」との声が聞かれ、誰に投票すべきか決めかねる状況も見られた。
選挙はまた、30年以上ぶりに復活した二院制議会の議員選出も同時に行われる重要な機会である。制度改革により上院の権限が強化され、今後の政治運営に大きな影響を与えるとみられている。
なお、大統領選は過半数を得た候補が出ない場合、上位2人による決選投票が行われる仕組みであるが、候補者数の多さから6月に決選投票が実施される公算が大きい。混乱の中で行われた今回の選挙は、ペルーの民主主義の運営能力と政治的安定性が改めて問われる局面となっている。
地元メディアの出口調査によると、故アルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の娘である右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏、極右実業家のアリアガ(Rafael López Aliaga)氏、元コメディアンのアルバレス(Carlos Álvarez)氏、元リマ市長のベルモント(Ricardo Belmont Cassinelli)氏が上位争いを繰り広げている。
