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ブラジル大統領選、フラヴィオ氏の支持率上昇、ルラ氏上回る=世論調査


ブラジルの大統領選挙は過半数を得る候補がいない場合、上位2人による決選投票が行われる制度である。
ブラジルのルラ大統領(左)とフラヴィオ・ボルソナロ上院議員(Getty Images)

ブラジルで今年10月に予定されている大統領選挙に向け、現職のルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領と右派の有力候補であるフラヴィオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員の支持率が拮抗している。4月11日に公表された地元紙フォーリャの世論調査では、両者がほぼ互角の戦いを繰り広げていることが明らかになった。

世論調査データによると、両者の支持率は誤差の範囲内で並び、大接戦となっている。調査では、仮に両者が決選投票で対決した場合、フラヴィオ氏が46%、ルラ氏が45%の支持を得る結果となった。差はわずか1ポイントで、統計上の誤差範囲(±2ポイント)を考慮すれば事実上の同率である。フォーリャの調査でフラヴィオ氏が数値上ルラ氏を上回ったのは今回が初めてであり、選挙戦の流れに変化が生じていることを示唆している。

ルラ氏は現在80歳で、通算4期目を目指している。同氏は与党・労働者党を率いる左派の象徴的存在で、貧困対策や社会政策を前面に打ち出して支持を集めてきた。一方、フラヴィオ氏は右派の有力政治家で、父親のボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の後継として台頭してきた人物である。

フラヴィオ氏の支持拡大の背景には父の影響力がある。ボルソナロ氏はクーデター未遂事件に関連して有罪判決を受け、現在は自宅軟禁状態にあるが、それでもなお保守層の間で強い支持を維持している。2025年末に息子への支持を表明したことが、右派票の結集を促したとみられている。

これまでの世論調査ではルラ氏が優勢とされてきたが、その差は徐々に縮小してきた。3月時点の調査ではルラ氏が数ポイントリードしていたものの、最近ではほぼ横並びの状況が続いている。選挙戦が本格化するにつれ、右派勢力の再結集と有権者の分極化が進んでいると指摘されている。

また、調査結果は質問形式によっても差が見られる。候補者名を提示しない「自発的回答」ではルラ氏が依然として優位に立つものの、具体的な対決構図を示した場合にはフラヴィオ氏が拮抗、あるいはわずかに上回る傾向がみられる。これは選挙戦が進むにつれて対抗軸が明確化し、有権者の選択が二極化していることを示している。

ブラジルの大統領選挙は過半数を得る候補がいない場合、上位2人による決選投票が行われる制度である。今回の調査結果は10月の本選後に実施される可能性が高い決選投票において、結果が最後まで予測困難であることを示している。

経済や治安、社会格差といった国内課題に加え、政治的分断の克服も大きな争点となる見通しだ。長年にわたり対立してきた左派と右派の構図は依然として強固で、選挙戦はイデオロギー対立の色彩を一層強めている。

ルラ氏にとっては政権継続と実績の評価が問われる選挙、フラヴィオ氏にとっては父の影響力を背景に新たな政権を樹立できるかが焦点となる。両者が拮抗する中、今後の選挙戦の展開や有権者の動向が最終結果を大きく左右することになる。ブラジルは再び重大な政治的選択の局面に差し掛かっている。

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