◎事件は30日夜に発生。グレーのシボレーに乗った武装集団が歩行者専用道路に進入し、別の集団に向けて銃を乱射した。
エクアドル、最大都市グアヤキルにある刑務所近く、身内の安否を心配する人々(Angel DeJesus/AP通信)

エクアドル港湾都市グアヤキルで正体不明の武装集団が別の集団に発砲し、9人が死亡、10人が負傷した。警察当局が3月31日、明らかにした。

それによると、事件は30日夜に発生。グレーのシボレーに乗った武装集団が歩行者専用道路に進入し、別の集団に向けて銃を乱射したという。

グアヤキル警察の報道官は記者会見で、「9人の死亡を確認し、10人が病院に搬送され手当てを受けている」と述べた。

犯行声明を出した組織は確認されていない。銃撃を受けた集団は地元のギャングと伝えられているが、詳細は不明だ。

海岸沿いのマナビ県でも29日、誘拐されたとみられる市民が正体不明の武装集団に処刑される事件が発生している。

地元メディアによると、この5人は麻薬カルテルの争いに誤って巻き込まれたとみられる。ソーシャルメディアで拡散した動画には首を切り落とされた5人の遺体が路上に放置されているところが映っていた。

警察によると、正体不明の武装集団は少なくとも11人を誘拐。治安部隊が5人の未成年を含む6人を救助したという。その後、警察はこの誘拐に関与したとされる2人を逮捕した。

グアヤキルでは今年1月、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄。ノボア(Daniel Noboa)大統領は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じた。

グアヤキルなどの殺人多発地帯では夜間外出禁止令が発令されている。

28日にはグアヤキルの警察署で暴動が発生。受刑者3人が処刑された。

政府の統計によると、エクアドルの2023年末時点の殺人発生率は人口10万人あたり40人。この地域で最も高い水準に達した。

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