◎準軍組織クラン・デ・ゴルフォを率いるダイロ・アントニオ・ウスガ容疑者は10年以上逃亡を続けていたが、北西部アンティオキア州の隠れ家で捕らえられた。
2021年10月23日/コロンビア、準軍組織クラン・デ・ゴルフォのダイロ・アントニオ・ウスガ容疑者(中央)と国軍の兵士(Colombian presidential press office/AP通信)

10月23日、コロンビア軍と警察の合同チームは国内最大の犯罪組織を率いるリーダーを逮捕したと発表した。

準軍組織クラン・デ・ゴルフォを率いるダイロ・アントニオ・ウスガ容疑者は10年以上逃亡を続けていたが、北西部アンティオキア州の隠れ家で捕らえられた。作戦の詳細は明らかにされていないが、当局によると警察官1人が作戦中に死亡したという。

コロンビア政府はウスガ容疑者の情報に80万ドル(約9,000万円)、米国はその首に500万ドル(約5.7億円)をかけていた。

イバン・ドゥケ大統領はウスガ容疑者の逮捕を約30年前のパブロ・エスコバルの逮捕劇に例え、軍と警察当局を称賛した。「当局は国内の麻薬カルテルに最大の打撃を与えました。ウスガの逮捕は、パブロ・エスコバルとそのカルテルの崩壊に匹敵する偉業です」

コロンビアの大統領府はウスガ容疑者と記念撮影する特殊部隊員の写真を公開した。

地元メディアによると、当局はウスガ容疑者を捕まえるために数千人を動員してきたが、作戦はいずれも失敗に終わっていたという。

ウスガ容疑者は2011年の大晦日に行われた当局の大規模な取り締まりで兄弟を失い、その後まもなくクラン・デ・ゴルフォのリーダーになった。

コロンビア政府はこのグループを国内で最も強力な犯罪組織と呼んでいる。一方、米国は犯罪組織ではなく、「重武装した極めて危険な準軍組織」と見なし、テロ組織に指定した。

クラン・デ・ゴルフォはメキシコの麻薬カルテルやその他の組織と犯罪ネットワークを構築していると考えられており、麻薬の密売、違法な金の採掘、殺人、強盗、恐喝などを生業としている。

専門家によると、組織の構成員は約1,800人と推定され、その一部はアルゼンチン、ブラジル、ホンジュラス、ペルー、スペインなどで逮捕された。

米国のNY地方裁判所は2009年にウスガ容疑者を麻薬密売の容疑で告発し、その後、ブルックリンとマイアミの裁判所もこれに続いた。当局によると、ウスガ容疑者は2003年から2014年の間に少なくとも73トンのコカインを米国に密輸したという。

ホワイトハウスの調査によると、コロンビアのコカ(コカインの原料)を生産する土地の面積は昨年約16%増加し、過去最高の245,000ヘクタールに達したという。

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