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ペルー大統領選、左派と右派候補の2位争い激化、決選投票へ


今回の選挙ではいずれの候補も過半数を得ることができず、上位2人による決選投票が6月に実施される見通しである。
2026年4月15日/ペルー、首都リマ、ロベルト・サンチェス氏(AP通信)

南米ペルーで4月12日に行われた大統領選挙は上位候補が拮抗する展開となり、決選投票に進む2位争いが最終局面までもつれ込んでいる。開票作業が進む中、右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が首位を維持する一方で、左派系のロベルト・サンチェス(Roberto Helbert Sánchez Palomino)氏と首都リマの前市長である強硬右派のアリアガ(Rafael López Aliaga)氏が僅差で争い、国の進路を左右する重要な対決の構図が浮かび上がっている。

今回の選挙ではいずれの候補も過半数を得ることができず、上位2人による決選投票が6月に実施される見通しである。フジモリ氏は16日時点(開票率93%)で得票率約17%、決選投票進出をほぼ確実とする一方、2位争いは数千票差の大接戦となっている。

争点となっているのは、国家の経済運営や治安政策を巡る理念の対立である。サンチェス氏は資源の国有化や社会支出の拡大、新憲法制定などを掲げ、貧困層や地方住民の権利強化を訴えるリベラルな政策を打ち出している。一方、アリアガ氏は死刑制度の導入や不法移民の国外追放など、厳格な治安対策を前面に出す強硬姿勢で支持を集めている。両者の政策は大きく異なり、どちらが決選投票に進むかによって、選挙戦の構図は大きく変わる可能性がある。

また、サンチェス氏は収監されているカスティジョ(Pedro Castillo)元大統領に近く、その政治的影響も議論の対象となっている。市場関係者の間では左派政策の拡大に対する懸念から通貨や株価が下落する場面も見られ、経済への影響も無視できない状況となっている。

今回の選挙は長年続く政治的不安定の中で行われた点でも注目される。ペルーではこの10年で大統領が相次いで罷免され、汚職問題や政争の激化により政権の短命化が常態化している。新たに選ばれる大統領はこうした混乱を収束させる役割も期待されている。

さらに、開票の遅れや一部候補による不正選挙の主張も波紋を広げている。ただし、国際監視団などは不正の証拠は確認されていないと報告している。

イデオロギーの対立が鮮明な候補が競り合う今回の選挙は、単なる政権交代にとどまらず、ペルーの政治と社会の方向性を大きく左右する転換点となる可能性がある。決選投票に進む顔ぶれが確定するまで、国際社会から高い緊張感を持って注視される見通しだ。

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