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米連邦最高裁、トランプ政権によるトランスジェンダー受刑者の医療制限を認めず

最高裁は今回、理由を詳しく説明せずに政権側の緊急申し立てを退けた。
米ワシントンDCの最高裁判所(AP通信)

米連邦最高裁判所は21日、連邦刑務所に収容されているトランスジェンダー受刑者への医療を制限するトランプ政権の政策について、直ちに実施するよう求めた政権側の申し立てを退けた。これにより、下級裁判所が命じた政策の差し止めが維持され、訴訟が続く間、受刑者への性別適合に関する医療や支援が継続されることになった。

問題の政策は、トランプ(Donald Trump)大統領が2025年に出した大統領令を受け、連邦刑務所局が導入したものだ。性別違和のある受刑者に対する性別適合手術やホルモン療法を停止し、化粧品やかつらなど、性自認に沿った外見を整えるための支援も打ち切る内容となっている。一方、精神保健サービスは引き続き提供するとしていた。

これに対し、受刑者側は医療の中断が身体や精神状態に深刻な影響を及ぼすとして提訴した。ロイス・ランバース(Royce C. Lamberth)DC地裁判事は6月、政権の政策を差し止め、必要な治療を継続するよう命じた。判事は性別違和への対応を怠れば、うつ、不安、自殺念慮などのリスクが高まる可能性を指摘した。DC控訴裁も9月、差し止めを解除する政権側の要求を退けていた。

政権は最高裁に対し、医療措置には刑務所の安全管理上の懸念があり、従来の治療を続ける必要性は認められないと主張した。一方、受刑者側の弁護士は、ホルモン療法などは連邦刑務所で1992年ごろから提供されており、政権側は治療に関連する具体的な安全上の問題を十分に示していないと反論した。

最高裁は今回、理由を詳しく説明せずに政権側の緊急申し立てを退けた。保守派の2判事は政策の実施を認めるべきとの立場を示した。

今回の判断は、トランプ政権が進めるトランスジェンダーの権利を制限する政策をめぐる法廷闘争の一環である。ただし、政策の合憲性や適法性について最終判断が下されたわけではなく、訴訟は今後も続く見通しだ。

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