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トランプ氏、米海軍にホルムズ海峡封鎖命じる、イラン交渉決裂受け


今回の決定はイスラマバードで行われた米国とイランの高官協議が決裂した直後に発表された。
ホルムズ海峡を航行する石油タンカー(Getty Images)

トランプ(Donald Trump)大統領は12日、ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ要衝ホルムズ海峡について、「米海軍による封鎖を開始するよう命じた」と明らかにした。これはイランとの和平交渉が決裂したことを受けた措置であり、中東情勢は一段と緊張を高めている。

トランプ氏は自身のSNSに声明を投稿。11日のイスラマバード協議について、「多くの点で合意に近づいたが、最も重要な核問題で進展がなかった」と説明し、「即時にホルムズ海峡を封鎖する」と表明した。また、同海峡を通過するためにイランへ通行料を支払った船舶については、公海上であっても拿捕・阻止するよう指示したという。さらに、イランが海峡に機雷を設置していると主張し、これらの除去作業も開始するとしている。

今回の決定はイスラマバードで行われた米国とイランの高官協議が決裂した直後に発表された。交渉は21時間に及んだが、イランの核開発を巡る長期的な制限について米側が「根本的な保証を得られなかった」ことが決裂の主因となった。

ホルムズ海峡は世界の石油輸送の2割が通過する戦略的要衝であり、これまでもイランによる封鎖や機雷敷設などで航行が大きく制限されてきた。今回の米国による封鎖措置は海峡を巡る主導権争いをさらに激化させる可能性がある。実際、紛争の影響で船舶の通航は激減し、エネルギー市場にも深刻な影響が及んでいる。

トランプ氏はイランの行動を「世界に対する恐喝」と強く非難し、必要であれば軍事力の行使も辞さない姿勢を示した。一方で、イラン側は海峡の管理権は自国にあると主張し、米国の措置を主権侵害とみなす可能性が高い。双方の対立が全面戦争に発展する懸念も指摘されている。

また、この封鎖は国際社会にも大きな波紋を広げている。ホルムズ海峡はアジアや欧州向けのエネルギー輸送の生命線で、封鎖が長期化すれば原油価格の高騰や物流の混乱を招く恐れがある。各国は緊張緩和と外交的解決を求めているが、現時点で事態打開の見通しは立っていない。

米国とイランの対立は2月末に始まった軍事衝突以降、断続的に激化してきた。今回の海峡封鎖はその延長線上に位置付けられ、地域の安全保障だけでなく世界経済にも重大な影響を及ぼす局面に入ったといえる。今後、両国が対話に戻るのか、それともさらなる軍事的エスカレーションに向かうのかが国際社会の最大の関心事となっている。

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