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米ミネソタ州不正捜査、法執行機関が22件の捜索令状を執行

捜査は4月28日に行われ、連邦捜査局(FBI)をはじめ、国土安全保障省や内国歳入庁(IRS)など複数の連邦機関、さらに州・地方当局が連携し、ミネアポリス周辺で計22件の捜索令状を執行した。
2026年4月28日/米ミネソタ州ミネアポリス、FBIの捜査員(AP通信)

ミネソタ州で28日、公的資金の不正使用疑惑をめぐる大規模な捜査が進展し、連邦・州当局が同州内で一斉に家宅捜索を実施した。捜査は社会福祉関連プログラムの不正疑惑に関するもので、当局は証拠収集と実態解明を急いでいる。

捜査は4月28日に行われ、連邦捜査局(FBI)をはじめ、国土安全保障省や内国歳入庁(IRS)など複数の連邦機関、さらに州・地方当局が連携し、ミネアポリス周辺で計22件の捜索令状を執行した。司法省はこれについて「進行中の不正捜査の一環として、裁判所の許可を得た法執行活動である」と説明している。

捜索対象には保育施設や事業所、関連する住宅などが含まれ、主に公的補助金を受ける社会福祉プログラムに関係する団体が焦点となった。特に児童向け給食支援や保育、医療・福祉サービスといった分野での不正請求や資金流用の疑いが指摘されている。

今回の捜査はコロナ流行期に拡大した支援制度を悪用した大規模詐欺事件の流れを受けたものとみられる。司法当局によると、これまでに少なくとも60人以上が有罪判決を受け、総額2億5000万ドル以上が不正に取得されたという。

また、州内では2018年以降、複数の福祉プログラムを通じて数十億ドル規模の不正が行われた可能性も指摘されており、今回の捜索はその全体像解明に向けた重要な局面と位置づけられている。

一方、この問題は政治的対立も招いている。トランプ政権は民主党が主導するミネソタ州における不正の蔓延を強調し、対策強化の一環として大規模捜査を進めてきた。これに対し州政府側は連邦との協力の必要性を認めつつも、過度な政治利用や特定コミュニティへの偏見につながる可能性に懸念を示している。

特に、一部の捜査対象がソマリア系移民コミュニティと関係していると報じられたことから、地域社会では不当な標的化への懸念や抗議の声も上がっている。ただし当局は、今回の捜査は移民政策とは無関係であり、あくまで資金不正に焦点を当てたものだと強調している。

ミネソタ州知事は28日、州と連邦の協力によって不正行為の摘発が進んだと評価し、「不正を行えば必ず摘発される」と述べ、法執行機関の連携の重要性を強調した。

今回の一斉捜索は米国におけるコロナ禍後の公的支援制度の不正利用問題の深刻さを改めて浮き彫りにした。今後、押収された資料の分析や関係者の事情聴取を通じて、さらなる起訴や摘発が進む可能性があり、連邦・州当局の対応が注目される。

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