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ウォルマート・メキシコ、売り上げ回復目指す、26年第1四半期の業績低迷

メキシコでは消費の伸びが鈍化する局面もあり、小売業界全体が競争激化に直面している。
メキシコ、首都メキシコシティ、ウォルマート・ストアーズ(Getty Images)

ウォルマート・メキシコは29日、2026年第1四半期(1~3月)の業績が市場期待を下回ったことを受け、今後の販売回復に向けた取り組みを強化する方針を示した。最高経営責任者(CEO)のバリエントス(Christian Barrientos)氏は決算説明の中で「第1四半期の結果は良くなかった」と認めつつも、販売の勢いを取り戻す方向に進んでいるとの認識を示した。

同社が発表した1〜3月期の純利益は約125億ペソ(約1145億円)と小幅な増加となったが、売上高は約2450億ペソにとどまり、市場予想の2700億ペソを下回った。中米事業の不振や為替変動の影響が業績を押し下げたとみられる。特に中米地域では販売の伸び悩みが目立ち、全体の収益力に影響を及ぼした。

一方で、メキシコ国内の事業は比較的堅調に推移し、電子商取引の成長が下支えとなっている。オンライン売上は前年同期比で大きく伸び、即時配送サービスの拡大が寄与した。こうしたデジタル分野の強化は今後の成長戦略の柱と位置付けられている。

バリエントス氏は販売回復に向けた具体策として、販促活動の強化とコスト管理の徹底を挙げた。特に6月に開幕するFIFAワールドカップや国内で毎年実施される大型セールなどのイベントを活用し、来店客数やオンライン需要の拡大を図る考えだ。これらの商機を通じて、販売の勢いを取り戻すことが期待されている。

さらに同社は、米国の親会社との連携を強化し、越境ビジネスの拡大にも取り組む方針を示した。物流や商品供給の効率化を進めることで、より競争力の高いサービス提供を目指す。加えて、2026年には前年比10%増となる約430億ペソの投資を計画し、店舗網の拡充やデジタル基盤の整備に充てる予定だ。

市場の反応は比較的落ち着いており、決算発表後には株価が上昇する場面も見られた。アナリストの間では短期的な業績の弱さを認めつつも、今後の施策が奏功すれば回復の余地はあるとの見方が出ている。特に販促イベントや電子商取引の拡大が今後の成長の鍵を握る。

メキシコでは消費の伸びが鈍化する局面もあり、小売業界全体が競争激化に直面している。こうした中でウォルマートは価格競争力の維持とサービスの多様化を通じて顧客基盤の拡大を図る必要がある。第1四半期の結果は課題を浮き彫りにしたが、同時に今後の戦略転換の重要性を示すものとなった。

同社が掲げる販売回復の取り組みが実際に成果を上げるかどうかは、今後数四半期にかかっている。デジタル化と販促強化を軸とした戦略が成長軌道への回帰につながるかが注目される。

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