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スイス「人口を1000万人に制限する国民投票」過半数が支持=世論調査

スイスの人口は900万人を超え、そのうち27%以上が外国籍住民とされる。
スイスの国旗(Getty Images)

スイスで人口を1000万人に制限する構想をめぐり、国民の過半数が支持を示していることが、最新の世論調査で明らかになった。6月14日に予定されている国民投票を前に、移民や人口増加を巡る議論が一段と活発化している。

調査は4月下旬に行われ、回答者の52%がこの構想に賛成、または賛成寄りの姿勢を示した。反対は46%で、残りは態度を決めていない。3月時点の調査では賛成が45%にとどまっており、投票日が近づく中で支持が拡大している点が注目される。一般にスイスの国民投票では、実施が近づくにつれて支持が減少する傾向があるとされ、今回の動きは異例とみられている。

この構想は反移民色の強い右派政党・スイス国民党(SVP)が主導するもので、2050年までに国内の常住人口を1000万人未満に抑えることを目指す。人口が一定水準を超えた場合、移民の制限などの措置を講じるほか、欧州連合(EU)との人の自由移動協定から離脱する可能性も含まれている。

スイスの人口は900万人を超え、そのうち27%以上が外国籍住民とされる。近年は経済の好調さを背景に移民流入が続き、住宅不足やインフラへの負担増大を懸念する声が広がっていた。こうした状況が、今回の構想への支持を押し上げていると分析されている。

一方、政府はこの提案に強く反対している。労働力不足の深刻化や経済成長の鈍化を招くほか、EUとの関係悪化につながる恐れがあると警告する。スイス経済は外国人労働者への依存度が高く、移民制限が企業活動や公共サービスに悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。

また、議会や経済界も同様に懸念を示し、国際協力や貿易関係への影響を危惧する声が強い。EUはスイスにとって最大の貿易相手であり、自由移動協定は経済活動を支える重要な枠組みとなっている。

スイスでは市民発議による国民投票が頻繁に行われるが、可決に至るケースは多くない。それでも今回の構想は支持率の上昇が続いており、結果は予断を許さない状況だ。国民投票が成立すれば、国内外におけるスイスの政策と経済の行方に大きな影響を及ぼす可能性がある。

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