◎ウクライナ検察はロシア軍の戦争犯罪1万件以上を捜査している。
2022年5月13日/ウクライナ、首都キーウの裁判所、拘束されたロシア軍兵士(Getty Images/AFP通信)

ウクライナの首都キーウで18日、戦争犯罪に問われたロシア兵の裁判が行われ、被告はを認めた。

シシマリン(Vadim Shishimarin)被告(21)は非武装の民間人を殺害した罪に問われている。ロシア兵が進行中のウクライナ侵攻で起訴されたのは初めて。有罪が確定すれば終身刑に処される可能性がある。

シシマリン被告は2月28日に北東部スムイ州で自転車に乗っていた62歳の男性を射殺したと認めた。

両手に手錠をかけられうつむくシシマリン被告の数メートル先には殺された男性の妻が座っていた。

夫人は夫が撃たれた時の様子を判事に説明した。

判事が「罪を認めますか」と問うと、シシマリン被告は「はい」と答えた。

判事が「完全に?」と聞くと、被告は「はい」と落ち着いた様子で答えた。

シシマリン被告は「民間人(男性)はウクライナの守備隊にロシア軍の居場所を教える可能性があったため、射殺するよう命じられた」と当時の状況を説明したとされる。

被告と他の兵士は盗難車で移動中、男性に遭遇したという。検察によると、被告は命令に従い、カラシニコフ銃で男性を射殺した。

ロシア外務省はこの裁判の詳細を知らないと説明している。

現地メディアによると、18日の審理は被告が罪を認めた直後に延期されたという。審理は19日に再開される予定と伝えられている。

男性の妻はAP通信の取材に対し、「被告を気の毒に思う」と語った。「しかし、犯罪は許されません...」

ウクライナ検察はロシア軍の戦争犯罪1万件以上を捜査している。

ベネディクトワ(Iryna Venediktova)検事総長は18日、「この最初の裁判はすべての加害者、ウクライナで犯罪に関与したすべての人が責任を回避することはできないという明確なシグナルを送る」とSNSに投稿した。

ロシアは民間人への攻撃を否定しているが、各地で犠牲者が報告され、キーウ近郊のブチャなどでは処刑されたとみられる民間人の遺体が多数見つかっている。

ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は42人の調査官、科学捜査の専門家、支援スタッフで構成されるチームをウクライナに派遣した。

西側の機関も捜査を支援している。

2022年2月27日/ウクライナ、東部ドネツク州、親ロシア勢力の戦車(Getty Images/AFP通信)
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