◎シエラレオネの貨物船「ラゾーニ号」はウクライナ南部オデーサ州の港からレバノンに向け出港した。
2022年7月29日/ウクライナ、南部オデーサ州の港、ウクライナ産穀物を積んだ貨物船(Ukrainian Presidential Press Office)

トルコ国防省は1日、ウクライナの穀物を積んだ最初の貨物船が南部オデーサ州の港を出港したと発表した。

声明によると、シエラレオネの貨物船「ラゾーニ(Razoni)号」はオデーサからレバノンに向け出港したという。

国連は1日、ラゾーニ号はトウモロコシ2万6000トン以上を積んでいると報告した。

トルコ国防省によると、同船は2日にイスタンブールに到着し、そこで検査を受けた後、レバノンに向け出港する予定だという。

最初のウクライナ産穀物は近代史上最悪と呼ばれる経済危機に直面しているレバノンに届けられる予定だ。2020年8月4日に首都ベイルートの港で発生した大爆発は街と穀物サイロを破壊した。地元メディアによると、このサイロは2年近く燃え続け、先週その一部が崩壊した。

ウクライナのクブラコフ(Alexander Kubrakov)インフラ相は1日、穀物輸送の再開とその取り組みをサポートした国際社会に謝意を示した。「今日、ウクライナは世界のパートナーとともに、世界の飢餓を防ぐための一歩を踏み出しました」

またクブラコフ氏は、穀物輸送の再開は食料不足に苦しむ国々だけでなく、ウクライナを助けることになると強調した。

ウクライナ大統領府によると、穀物輸送が順調に進めば、少なくとも10億ドルの外貨が農業部門にもたらされるという。

トルコ政府は7月22日にイスタンブールで締結された協定に基づき、他の貨物船もウクライナの港を出港できるとしているが、それ以上の詳細は明らかにされていない。

ウクライナ南部の港には2000万トン以上の穀物が滞留しているとみられる。ロシアとウクライナは先月、トルコと国連の仲介を受け、輸送再開に合意した。

この協定により、ロシアも穀物や肥料を輸出できるようになった。

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