◎ロシア軍はミサイルやドローンを駆使してウクライナのエネルギーインフラを連日攻撃。大きな被害を与えている。
ウクライナのゼレンスキー大統領とシルスキー総司令官(Getty Images/AFP通信)

ウクライナ軍のシルスキー(Oleksandr Syrskyi)総司令官は13日、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領が先月の大統領選で勝利して以来、ロ軍がウクライナ東部と南部の前線における攻撃を大幅に強化していると指摘した。

シルスキー氏はテレグラムに声明を投稿。「気温の上昇でぬかるんだ地面が固まり、ロシア軍の戦車部隊が動きを活発化させ、東部と南部の1000キロ以上に及ぶ戦前で戦闘が激化している」と明らかにした。

またシルスキー氏は東部ドネツク州の工業地帯の戦況がここ数日で著しく悪化していると警告した。

ロシア軍はミサイルやドローンを駆使してウクライナのエネルギーインフラを連日攻撃。大きな被害を与えている。

防空システムの不足に直面するウクライナは同盟国に米国製の地対空迎撃ミサイルシステム「パトリオット」をさらに少なくとも25機供与するよう繰り返し要請している。

ドイツ政府は13日、ウクライナにパトリオット1機を追加供与すると発表した。

ウクライナの国営テレビによると、ドネツク州バフムートとアウディーイウカ周辺の部隊がロシア軍の攻撃に押され、後退しつつあるという。

ロシア国防省は13日、バフムートに近い集落を占領したと発表。ウクライナはこれを否定し、戦闘が続いていると述べた。

シルスキー氏は最新の戦況について、「ロシア軍は戦車部隊による攻撃を強化している」と指摘した。

それによると、ウ軍は多数のロシア戦車を破壊したものの、ロ軍は犠牲をいとわぬ「肉弾攻撃」でウ軍をすり減らし、占領地を広げつつあるという。

バフムート西方の集落をめぐる戦闘は2カ月ほど前から続いているとされる。

この集落はドネツク州の複数の町を結び、ウクライナ軍が死守しているとみられる。ロシアは2月にアウディーイウカを占領した後、この集落に攻め込んだ。

ウクライナ政府によると、西側、特に米国からの軍事支援が鈍化したことで防空システムが枯渇し、戦場で劣勢に立たされることが増えたという。

ジョンソン(Mike Johnson)米下院議長はウクライナの防衛に尽力すると繰り返し表明しているにもかかわらず、新たな軍事支援法案を採決せずにいる。

民主党が多数派を占める上院は2月、ウクライナへの600億ドルの支援を含む法案を可決したが、下院共和党はこれにメキシコの国境警備強化に向けて資金が含まれていないと指摘。上院に法案を見直すよう迫っている。

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