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大敗喫したハンガリー首相、右派勢力の再建に注力へ、まもなく新政権発足

今回の選挙では中道右派の新興政党「TISZA(尊敬と自由)」が141議席を獲得するという記録的な大勝を収めた。
2026年4月12日/ハンガリー、首都ブダペスト、オルバン首相(AP通信)

ハンガリーの政治に大きな転機が訪れた。16年にわたり政権を担ったオルバン(Viktor Orbán)首相は25日、今月の議会選挙(一院制、定数199)で歴史的大敗を喫した後、自らの進退について新たな方針を示した。オルバン氏はX(旧ツイッター)への投稿で、今後は自ら率いてきた政治勢力の再建に注力する考えを明らかにした。

今回の選挙では中道右派の新興政党「TISZA(尊敬と自由)」が141議席を獲得するという記録的な大勝を収めた。この結果、同党は憲法改正も可能な3分の2以上を確保し、オルバン政権が進めてきた政策の大幅な見直しが可能となった。

オルバン氏はSNSに投稿した動画の中で、「我々の任務はもはや議会にはない」と述べ、自身が「ナショナル・サイド」と呼ぶ支持基盤の再編に取り組むと強調した。長年にわたり結束してきた右派政治コミュニティの立て直しを優先する姿勢を打ち出した形だ。

今回の敗北は1990年の民主化以降で最大級の政治変動と位置付けられている。オルバン氏は2010年以来、4回連続で圧倒的多数を獲得し続け、欧州でも特異な強権的リーダーとして存在感を示してきた。しかし、汚職問題や法の支配の弱体化への批判が国内外で高まり、有権者の不満が蓄積していた。

マジャル新政権はこうした流れを受けて民主制度の回復と汚職・腐敗対策を最優先課題に掲げている。司法の独立性やメディアの自由の強化、EUとの関係修復などを進める方針で、国政の方向性は大きく転換する見通しである。

一方で、オルバン氏の影響力が完全に消えるわけではない。本人は政党「フィデス・ハンガリー市民同盟」の党首職にとどまる可能性を示唆し、今後も保守・ナショナリズム勢力の結集を図るとみられる。政治的影響力を維持しつつ、次の再起を目指す構えだ。

新議会が発足する5月以降、ハンガリーはポスト・オルバン時代に本格的に移行する。強固な多数を背景にしたマジャル新政権の改革がどこまで進むのか、また敗北した保守勢力がどのように再編されるのかが、今後の政治情勢を左右する。

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