モンテネグロ当局、安全保障上の懸念からセルビア人87人の入国拒否
モンテネグロ警察と国家安全保障局によると、87人の男性は3日朝、セルビアの首都ベオグラードからアドリア海沿岸の保養地ティヴァトに到着した。
.jpg)
バルカン半島・モンテネグロ政府は3日、欧州連合(EU)と西バルカン諸国の首脳会議を目前に控え、安全保障上の懸念を理由としてセルビア人87人の入国を拒否したと明らかにした。対象者らはセルビアからチャーター機で入国を試みたが、当局は国家安全保障に対する潜在的な脅威と判断し、入国を認めなかった。
モンテネグロ警察と国家安全保障局によると、87人の男性は3日朝、セルビアの首都ベオグラードからアドリア海沿岸の保養地ティヴァトに到着した。しかし、EU首脳らが集まる会議を前に実施されていた厳格な警備・入国審査の過程で、当局は同グループを重点的に調査した。その結果、「国内の安定した安全環境を損なう恐れがある人物」と判断し、入国を拒否したという。
当局は声明で、対象者らについて「国家および国内の安全に対するリスクとなることを示す十分な情報と情報機関の分析を得た」と説明した。警察が公開した写真によると、一部の人物は通信機器を所持し、「セルビアは勝利する」と書かれた横断幕を携行していた。この標語はセルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領と政府与党が使用している政治スローガンである。
地元メディアによると、入国を拒否された87人の中には、過去1年以上にわたりセルビア国内で続く反政府デモの参加者に対して暴力行為を行ったと非難されている親政権派活動家も含まれていたという。またモンテネグロ警察は、一部の人物に犯罪歴があり、高リスクの集会や政治活動への関与歴を確認したとしている。さらに当局は関連するバス2台も押収した。
今回の措置は6日にティヴァトで開催されるEU・西バルカン首脳会議を前に実施された。会議にはEU首脳のほか、モンテネグロ、セルビア、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、北マケドニア、コソボの指導者らが出席し、EU加盟交渉の進展や地域の安定化について協議する予定である。EUは近年、ロシアや中国の影響力拡大を警戒し、西バルカン諸国の改革や加盟準備を後押ししている。
モンテネグロとセルビアの関係は近年複雑化している。2006年にセルビアとの国家連合を解消して独立したモンテネグロは、NATO加盟やEU加盟を目指す親欧米路線を推進してきた。一方、セルビアはEU加盟を目標としながらもロシアや中国との関係を維持しており、両国の外交姿勢には隔たりがある。
セルビア政府は今回の入国拒否措置について反応を示していない。しかし、重要な国際会議を前に発生した今回の出来事は、バルカン地域に残る政治的緊張と、EU加盟を巡る各国の複雑な思惑を浮き彫りにした。
