◎ギリシャ政府は4年前の債務危機を乗り越えて以来、ハイテク分野への投資を強化し、観光依存型経済からの脱却を目指してきた。
2022年9月29日/ギリシャ、首都アテネで開催されたグーグルクラウドのイベント、ミツォタキス首相(Petros Giannakouris/AP通信)

米IT大手グーグル(Google)は29日、ギリシャのクラウドサービス拡張計画を発表し、今後10年で約2万人の新規雇用を創出すると約束した。

ギリシャではクラウドインフラの拡充が進められており、米マイクロソフト社は2年前に10億ドルを投じて首都アテネにデータセンターを開設すると発表し、アマゾンやシスコシステムズなどの大手も開発に乗り出している。

グーグルクラウドインターナショナルのマーティン(Adaire Fox-Martin)CEOは29日、アテネの記者団に対し、「我々はギリシャにおけるイノベーションとデジタル変革を劇的に加速させることができる」と語った。

またマーティン氏はギリシャの2つの都市にグーグルが出資する人工知能の研究センターを設立する計画も合わせて発表した。この計画には2030年までに22億ユーロが投資されるという。

グーグルはこのクラウドインフラ拡充計画の詳細とスケジュールを明らかにしていない。

ギリシャ政府は4年前の債務危機を乗り越えて以来、ハイテク分野への投資を強化し、観光依存型経済からの脱却を目指してきた。

政府の公式記録によると、同国の7月の完全失業率は11.4%。EU加盟国の中ではスペインに次いで高い。

地元メディアはグーグル関係者の話を引用し、「厚労省や病院管理局を含むいくつかの政府機関は新しいクラウドインフラが利用可能になり次第、グーグルのクラウドサービスにシステムを統合する予定」と報じている。

公立病院の薬の処方や離婚の申請など、何百もの行政サービスがオンライン申請を導入している。

29日のイベントに出席したミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は、「グーグルの投資は業務効率化とデジタル化を後押しするだろう」と語った。

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