◎ロシア・ウクライナ戦争は世界の食料・燃料価格を押し上げている。
2022年2月23日/ドイツ、ベルリンの首相官邸、オラフ・ショルツ首相(Michele Tantussi/Pool/ドイツ通信社)

ドイツ政府は20日、年末までにロシア産原油の輸入を停止すると発表した。

ベアボック外相は記者団に、「夏までに半減させ、年末にはゼロにする。その後、天然ガスも続くだろう」と語った。

ドイツは現在、国内で消費する原油の25%、天然ガスの40%をロシアから購入しており、突然供給を止めれば経済活動に深刻な影響が出ると懸念されている。

米国はロシア産原油の輸入を禁止済み、イギリスも年末までに段階的に停止する予定である。

ベアボック外相は、「ドイツは欧州のロードマップに基づき、ロシア産原油とガスの輸入を段階的に減らしていく」と述べた。

EUを統括する欧州委員会は「2030年よりかなり前に」ロシア産エネルギーから脱却するというロードマップを示している。

ドイツは対ロシア制裁としてロシアのガスパイプライン「ノルドストリーム2」の運用開始に向けた手続きを停止している。

ドイツの経済研究機関は今週、ロシア産エネルギーの輸入を突然停止すれば、急激な景気後退をもたらすと警告した。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領はドイツの対ロシア制裁を不十分と批判している。

リントナー財務相はドイツ通信社のインタビューの中で、「ロシアのエネルギー禁輸に向け、可能な限り迅速に取り組んでいる」と語った。

またリントナー財務相は、「ロシアのエネルギー輸入を直ちに停止すれば、国内の自動車メーカーや多くの企業に打撃を与え、操業停止に陥る可能性がある」と指摘した。

リントナー財務相は対ロシア制裁について、「ドイツの標的は欧州人や欧州の市場ではなく、プーチンである」と語った。

戦争は世界の食料・燃料価格を押し上げている。

リントナー財務相は世界経済の経済的・地政学的問題の多くはロシアに責任があると指摘した。「インフレ、食糧危機、発展途上国の深刻な債務危機など、戦争から生じるすべての経済的・地政学的問題の責任はロシアにあります」

また、ドイツがロシア産エネルギーに依存していることについて、これまでのドイツ政府の政策を批判した。「ロシア依存は政府の失敗であり、今はエネルギーの多様化に取り組まなければなりません」

ロシアの石油輸出の約60%は欧州向け、20%は中国向けである。

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