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北アイルランドの警察署前で爆発、ケガ人なし、過激派の犯行か

死傷者は報告されていないが、住宅地の中心部で発生したことから、当局は極めて危険かつ無差別的な攻撃だったと指摘している。
2026年4月26日/北アイルランド、ベルファスト郊外、車が爆発した現場(AP通信)

英国の北アイルランドで警察署の外に仕掛けられた爆弾が爆発する事件が発生し、当局がテロ行為として強く非難した。事件は長年の紛争終結後も残る過激派の脅威を改めて浮き彫りにした。

爆発が起きたのは4月25日夜、ベルファスト郊外ダンマリーにある警察署の前。警察によると、爆弾は圧縮ガスシリンダーを用いた即席装置で、周辺住民の避難作業が行われている最中に爆発した。

死傷者は報告されていないが、住宅地の中心部で発生したことから、当局は極めて危険かつ無差別的な攻撃だったと指摘している。警察幹部は「規模や精巧さ以上に予測不能で危険な装置だった」と述べ、公共の安全を顧みない行為だと強く非難した。

捜査当局によると、犯行グループは配送ドライバーを襲い、車両を乗っ取ったうえで爆発物を積み込み、警察署まで運ばせたとされる。運転手は脅迫を受けて現場まで車を運転させられたとみられる。

今回の攻撃は警察官の殺害や大規模な被害を狙ったものとみられている、警察は「住宅地の中心で最大限の被害を与える意図があった」と指摘した。

また、この事件は単発ではなく、ここ数週間で警察施設を狙った攻撃が相次いでいる。3月末には別の警察署でも同様の手口による爆弾事件が未遂に終わっており、いずれも和平プロセスに反対する共和派の過激派組織が関与した可能性が指摘されている。

北アイルランドでは1998年のベルファスト合意により、カトリック系とプロテスタント系の対立に端を発する長年の武力衝突が収束した。しかし、その後も合意に反対する一部の武装勢力が散発的に攻撃を続け、治安当局が警戒を続けている。

今回の爆発についても、こうした過激派が存在感を示し、社会に不安を与えることを狙った可能性が高いとみられる。警察はテロ対策部門が主導して事件の全容解明を進めており、殺人未遂事件として捜査を行っている。

現場周辺では爆発後に大規模な立ち入り規制が敷かれ、住民の避難や安全確認が行われた。政治家や地域指導者からは一斉に非難の声が上がり、暴力行為は平和社会にそぐわないとの認識が改めて強調された。

今回の事件は和平から約30年が経過した現在もなお、北アイルランドが完全な安定には至っていない現実を示すものとなった。治安当局は引き続き過激派の動向を警戒し、再発防止に向けた対策を強化するとしている。

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