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ギリシャ首都で銃撃事件、4人負傷、89歳の男逮捕

事件は28日、アテネ市内の社会保障事務所と裁判所の2カ所で相次いで発生した。
2026年4月28日/ギリシャ、首都アテネ、銃撃事件が発生した現場から避難する人々(AP通信)

ギリシャの首都アテネ中心部で28日、銃撃事件が発生し、少なくとも4人が負傷した。警察は事件後、容疑者として89歳の男を逮捕し、動機の解明を進めている。高齢の容疑者による異例の凶行は市民に大きな衝撃を与えている。

事件は28日、アテネ市内の社会保障事務所と裁判所の2カ所で相次いで発生した。男は散弾銃を所持し、まず中心部の地区にある社会保障機関に侵入して発砲、職員1人が脚に被弾した。その後現場から逃走し、別の場所にある裁判所へ移動して再び発砲した。

裁判所では複数の職員が巻き込まれ、女性職員3人が跳弾によって軽傷を負い、さらに1人が体調不良で病院に搬送された。いずれも命に別条はないという。銃撃は床や周囲に向けられたとみられ、無差別的な要素を含む犯行だった。

容疑者は犯行後に徒歩で逃走し、現場には銃や文書を残していた。捜査当局は容疑者を追跡し、アテネから約200キロ離れた西部パトラのホテルで男を拘束した。逮捕時には別の武器も所持していたとされる。

現地報道によると、男は元清掃作業員で、年金をめぐる不満を抱えていた可能性がある。現場に残されたメモには、自身の行動理由が記されていたとみられるが、警察は動機について慎重な姿勢を崩していない。精神的な問題も指摘されており、背景の解明が焦点となっている。

ギリシャの銃規制は厳しく、銃撃事件は他の欧州諸国と比べてもまれである。そのため今回の事件は社会に強い不安をもたらし、公共施設の警備体制の脆弱さも浮き彫りになった。裁判所職員らは安全対策の強化を求め、抗議のためのストライキを計画するなど波紋が広がっている。

また、防犯カメラには容疑者が落ち着いた様子で銃を持ち歩く姿が記録され、計画性の有無についても議論を呼んでいる。高齢者による重大犯罪という点でも注目され、社会保障制度や高齢者支援のあり方を含めた議論に発展する可能性がある。

今回の事件は死者こそ出なかったものの、都市の中枢機関が狙われたことで治安への信頼を揺るがした。当局は動機や犯行経緯の全容解明を急ぐとともに、再発防止に向けた対策を迫られている。

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