◎ラファ検問所は今のところ、門を固く閉ざしているようだ。
2023年10月19日/エジプトとパキスタン・ガザ地区の国境近く(ロイター通信)

イスラエル軍の空爆を受けるパレスチナ・ガザ地区とエジプトを結ぶ国境検問所に人道支援を積んだトラックが集結している。

バイデン(Joe Biden)米大統領は18日、エジプト政府がガザ地区に人道支援物資を搬入(トラック20台)することで合意したと明らかにした。

イスラエル政府も一定の条件下での物資搬入を容認するとしている。

しかし、ラファ検問所は今のところ、門を固く閉ざしているようだ。

イスラエル軍とガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの衝突は12日目に突入。双方の死者は5000人を超え、今も増え続けている。

ガザ地区の住民約200万人は水、食料、電気、燃料を遮断され、危機的状況にある。そのうち約100万人が南部のラファ検問所近くに避難し、支援を待っている。

エジプトとパレスチナの赤新月社および国連当局はラファを通る輸送団の物資がイスラム組織ハマスの戦闘員ではなく一般市民に確実に届くようにするため、搬入を管理する予定である。

世界保健機関(WHO)は19日、「最初の物資がガザに速やかに入ることを願っている」と表明した。

WHOの緊急対応責任者であるライアン(Michael Rya)博士は定例会見で、ガザに送り届けたい医療物資のリストを公開した。

一方、世界食糧計画(WFP)によると、ラファ検問所で待機またはそこに向かっている食料は950トンを超えたという。

これは約50万人が1週間生活できる量であり、カロリーの高いビスケットや缶詰などが含まれている。

ノルウェー難民評議会(NRC)はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ハマスにベビーフードやミネラルウェーターは送らない」と強調した。

「ガザ地区で助けを求めている善良なパレスチナ人、子供、女性、高齢者に食料を届けるのです...」

AP通信は関係筋の話として、「エジプトとイスラエル当局は病院の発電機や水の淡水化プラントなどを動かすのに必要な燃料の持ち込みが許可されるかどうかについて、まだ交渉中」と伝えている。

イスラエルは物資がハマスに流れることを恐れ、管理を徹底するよう国連や関係国に求めている。

ガザ地区内に入ったトラックはイスラエル軍の空爆で損壊した道路を避けて配給所に移動しなければならない。

一部の専門家はハマスの支配下にある北部への物資搬入は難しいと指摘している。北部にとどまるパレスチナ人は数十万人と推定されている。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は19日、約3000トンの物資がエジプト側でガザへの入国を待っていると推定した。

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