◎保守派のエルドアン大統領はLGBTQ+を「変質者」と呼んでいる。
2022年6月26日/トルコ、イスタンブール中心部で行われたプライド・パレード(Emrah Gurel/AP通信)

トルコLGBTQ+(性的少数者)団体は27日、イスタンブールのプライド・パレードで逮捕された373人が釈放されたと発表した。

イスタンブールの警察は26日に市内で行われたパレードを取り締まり、一部の参加者に暴力を振るったと非難されている。

イスタンブールに拠点を置く著名なLGBTQ+団体「Kaos GL」はSNSに、「26日に拘束されたすべての市民が警察に調書を提出し、健康診断を受けた後、釈放された」と投稿した。

イスタンブール当局は2015年にプライド・パレードを禁じたが、それでも毎年、6月の「プライド月間(Pride Month)」を記念して大勢の人々が市内を行進する。

イスタンブールの自治体は先週、LGBTQ+関連のイベントをすべて禁じ、「安全、平和、犯罪を防止する必要がある」と述べていた。

警察はパレードを阻止するために市内の地下鉄駅の一部や大通りを封鎖した。AP通信はパレードを取材したジャーナリストや報道カメラマンが警察に拘束されたと報じている。

国内NGOアムネスティ・インターナショナルのトルコ支局はイスタンブール当局の禁止令と取り締まりを「恣意的」と厳しく非難した。トルコ支局はツイッターに、「拘束された人々は基本的人権のひとつである表現と集会の自由を奪われた」と投稿している。

保守派のエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は首相時代にはプライド・パレードの開催を許可していた。2014年のパレードには約10万人が参加した。

しかし、エルドアン氏は2015年に態度を一変させ、パレード禁止令を発効。イスタンブールに集まった活動家たちは警察の催涙ガスと放水砲を浴びた。エルドアン氏はLGBTQ+を「変質者」と呼んでいる。

26日のパレードを主催したイスタンブールLGBTQ+プライドウォーク委員会は声明で、「26日の一斉逮捕はこの7年間の総逮捕者数の3倍以上にのぼる」と明らかにした。

また同委員会はヘイトスピーチや差別を非難し、「権利のための闘い続ける」と誓った。

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