◎この法律は最高裁の権限を弱体化させるものであり、国会(一院制、定数120)は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになっていた。
2023年5月27日/イスラエル、首都テルアビブ、ネタニヤフ政権の司法制度改革案に抗議するデモ(Ohad Zwigenberg/AP通信)

イスラエルの最高裁判所は1月1日、昨年ネタニヤフ政権が可決した司法制度改革法を違憲と裁定した。

これにより、数十万人規模の抗議デモに発展した物議を醸す法律は廃止された。

この法律は最高裁の権限を弱体化させるものであり、国会(一院制、定数120)過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになっていた。

ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と連立を組む超国家主義政党は「選挙で選ばれたわけでもない司法に過剰な権限を与えている」と主張している。

国会は昨年7月に法案を賛成多数で可決。その後、最高裁の判事15人はこの法律に関する審理を開始した。

最高裁は通常、少人数で審理を行うが、本件は非常にデリケートな問題であるため、全員での審理を決めた。

この法律は広範な怒りと分断を引き起こし、何十万人もの抗議者が街頭に出て法律を廃止すること、そしてネタニヤフ氏の辞任を求めた。

デモの主催者によると、毎週末行われた抗議デモの規模はイスラエル建国史上最大だったという。

空軍パイロットを含む数百人の予備役が動員を拒否すると政府に圧力をかけた。

最高裁によると、15人の判事のうち8人がこの法律を違憲と裁定した。

超国家主義政党「ユダヤの家」のレビン(Yariv Levin)法相は最高裁の判決を非難。「裁判官たちは全ての権力を手中に収めた」と主張した。

野党イェシュアティドラピド(Yair Lapid)前首相はX(旧ツイッター)に声明を投稿。最高裁の判決を歓迎し、「我が国の司法は市民を守るという役割を忠実に果たした」と書き込んだ。

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