◎エジプト国境のラファ検問所周辺には9日も「助けて」「殺さないで」と叫ぶ女性や子供が集まっていた。
2023年12月8日/パレスチナ自治区、ガザ地区、イスラエル軍の空爆で負傷した親子(Getty Images/AFP通信)

イスラエル軍は9日、国連安全保障理事会によるガザ紛争の停戦を求める決議案が否決されたことを受け、イスラム組織ハマスの拠点を容赦なく空爆した。

米国は人道的な停戦を求める国連決議に拒否権を行使したうえで、イスラエルに1億ドル以上の弾薬供与を決めた。

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は採決に先立ち、「ガザの市民は生存のために必要なものを何一つ持たず、南部の限られたエリアで逃げ惑っている」と述べた。

ガザの市民推定100数十万人が南部の限られたエリアに避難し、国際社会の支援を待っている。

エジプト国境のラファ検問所周辺には9日も「助けて」「殺さないで」と叫ぶ女性や子供が集まっていた。

イスラエルは前日、ハマスの多くの戦闘員が降伏したと発表。パンツ一丁で連行される男たちの様子がソーシャルメディアで拡散した。

反ユダヤ主義者は「イスラエルを滅ぼせ」「ユダヤ人に死を」とSNSに投稿。これに対し、反イスラム主義者は「ゴキブリの住処に核ミサイルを撃ち込め」「浅黒い肌のガザ市民に石鹸を送ろう」などとヘイトをぶちまけた。

ガザの保健当局によると、パレスチナ側の死者は1万7700人を超えたという。

また同局はガザ中心部と南部の病院に過去24時間で133人の遺体が搬送されたと明らかにした。

ハマスは9日、イスラエル軍に対するロケット攻撃を継続していると発表した。

現地メディアはラファ検問所近くを含むパレスチナ人が「安全地帯」と呼びエリアも空爆を受けたと報じている。

イスラエル軍はハマスが病院などの地下に拠点を設けていると主張。ハマスはこの主張を否定している。

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