イスラエル軍、ガザ全域を砲撃、43人死亡、地上作戦展開中
▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は19日午後の時点で5万3401人、負傷者は12万1227人となっている。
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イスラエル軍が19日、パレスチナ・ガザ地区北部と南部の広い範囲を空爆・砲撃し、過去24時間で少なくとも43人が死亡、100人以上が負傷した。保健当局が明らかにした。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、南部ハンユニスで大きな爆発が複数回確認されたという。
イスラエル軍はガザ全土を「征服」することを目的とした地上作戦を開始。イスラム組織ハマスを追い詰めている。
イスラエル軍は19日の攻撃に先立ち、ハンユニスの住民に対し、「前例のない攻撃が始まる」として、避難を命じていた。
一方、NATO加盟国のカナダ、フランス、イギリスの首脳は19日、イスラエルがガザでの新たな攻撃を終わらせなければ、イスラエルに制裁を科すと警告。ガザ国境の封鎖を解除するよう求めた。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はこの呼びかけを一蹴し、ガザ征服と「ハマス滅亡」を達成するまでガザ地区を攻撃し続けると誓った。
イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は未曽有の大飢饉が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう何度も呼びかけてきた。
トランプ(Donald Trump)米大統領はガザが危機的状況にあることを認識したうえで、米国主導の食糧支援を急ぐとしている。
ネタニヤフ氏は今月初めの閣議でガザ地区での軍事作戦を拡大する計画を承認。計画にはガザの征服および住民の強制移住が含まれている。
イスラエルはガザ全土を占領したうえで、市民をガザ南部に強制移住させ、民間警備会社とともに援助物資を配給・管理するとしている。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は19日午後の時点で5万3401人、負傷者は12万1227人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは19日、国際社会に対し、イスラエルに最大限の圧力をかけ、ガザ国境の封鎖を解除させるよう促した。
アムネスティはX(旧ツイッター)に声明を投稿。「イスラエルはごくわずかな量の食料をガザに搬入しながら大虐殺を推し進めている」と非難した。
またアムネスティは各国の首脳に経済制裁を含む強力な対応を取るよう呼びかけた。