◎ハッジはイスラム教徒にとって、「一生に一度は行わなければならない人生の義務」である。
サウジアラビア当局は23日、今年のメッカ大巡礼「ハッジ」に参加した市民1000人以上が熱中症などにより死亡したと発表した。
それによると、死者の半数以上がエジプトからの旅行者だったという。
エジプト政府は同日、当局の許可を得ずに巡礼者をサウジに送った16の旅行代理店の免許を剥奪したと発表した。
同政府はメッカへの巡礼を許可された31人の死亡を確認したと報告。無許可の巡礼者の情報は公開していない。
しかし、地元メディアは政府関係者の話しとして、「自国民少なくとも630人が熱中症などの症状で死亡した」と伝えている。
それによると、その大半がメッカの集団墓地に埋葬されたという。
サウジ当局は無許可の巡礼者を取り締まり、数万人を追放した。その多くはエジプト人であったが、徒歩で聖地にたどり着いた者もいたようだ。
当局は許可を得た巡礼者にバス、クールスポット、宿泊所などを提供している。
サウジ政府は声明の中で、「エジプトに拠点を置く16の旅行会社が巡礼者に適切なサービスを提供しなかった」と述べた。
また同政府は「これらの旅行代理店はメッカへの渡航を許可されていなかった」と強調した。
ハッジはイスラム教徒にとって、「一生に一度は行わなければならない人生の義務」である。
巡礼者たちは1400年前に預言者ムハンマドが歩いた道を数日かけて巡礼し、神に近づくことを目的とする儀式を行う。
今年は世界中から180万人以上のイスラム教徒が集まり、最高気温が50度を超える中、カーバ神殿や聖なる丘を巡礼した。