◎影響を受けた家屋は400戸以上と伝えられているが、詳細は分かっていない。
2月18日、ブラジル南部で発生した土砂災害の犠牲者は120人を超え、200人以上が行方不明になった。
土砂崩れはリオデジャネイロ州ペトロポリスの山間部に建設された住宅地で発生した。正確な発生時刻は明らかにされていないが、15日の午後7時頃と伝えられている。
州政府によると、ペトロポリスの15日午後の雨量は250mmを超え、1カ月の降水量を上回ったという。
17日には再び大雨警報が発表されたため、救助隊は作業の一時中断を余儀なくされた。
救助隊を支援しているボランティアはロイター通信の取材に対し、「影響を受けた範囲はあまりに広く、州の救助隊とボランティアだけで行方不明者を探すことは困難」と語った。
影響を受けた家屋は400戸以上と伝えられているが、詳細は分かっていない。
連邦政府は特別チームを現地に派遣しているが、地元メディアによると、人手が足りないのは明らかだという。州政府はボランティアに感謝する一方、2次災害が発生する可能性があるとして、現場周辺には近づかないよう呼びかけている。
ペトロポリスはリオデジャネイロ州の中部に位置する避暑地で、標高は約800m。地盤の安定している地域には大邸宅が立ち並んでいる。
しかし、人口は無秩序に増え続け、山の斜面には小さな住宅が密集して建っており、その多くは住宅に適さない脆弱な地盤の上に建設された。専門家は森林伐採、排水不備、脆弱な地盤、大雨が組み合わさり、大規模な土砂崩れを引き起こしたと指摘している。
17日には身元が確認された犠牲者の葬儀が執り行われた。地元メディアの取材に応じた女性は、妹を探していると述べた。
ボランティアはスコップとバケツで土砂を掘り起こし行方不明者を探している。
ツイッターで現地の最新情報を提供しているブラジル国家市民防衛局によると、17日以降生存者は見つかっていないという。人命救助のタイムリミットとされる72時間はまだ経過しておらず、救助隊は主に手作業で瓦礫を回収し、行方不明者を探している。
報道によると、地元の遺体安置所は満杯になったため、冷蔵トラックを複数台配備したという。
あるボランティアはAFP通信に、「遺体を家族に返すために最大限の努力をしなければならない」と述べ、連邦政府にさらなる支援を求めた。
ペトロポリスと他の町にまたがる山地では2011年にも大規模な土砂崩れが発生し、900人以上が死亡している。1981年以降、ペトロポリスだけで400人以上が土砂災害や洪水で死亡したと伝えられている。
一部の住民は州政府と予報官の警告を受け、退避を始めている。地元メディアによると、15日のような大雨が降る可能性は低いものの、数日は不安定な天気が続く見込みだという。
崩壊したエリアから数メートルの地点で生活していた住民はロイター通信の取材に対し、「あんな思いは二度としたくない」と語った。