◎一部の市民はジハード組織の取り締まりに失敗したカポレ大統領を非難し、クーデターの成功を祝った。
2022年1月24日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーのテレビ局近く、反乱軍を支持する人々(Sophie Garcia/AP通信)

1月24日、ブルキナファソの反乱軍はロック・マルク・クリスチャン・カボレ大統領を拘束し、国の支配権を奪取したと宣言した。

反乱軍の兵士たちは国営テレビ局のスタジオでクーデターの完了を宣言したうえで、「ブルキナファソを保護および回復させるために行動した愛国兵士たちは、全国民に受け入れられる選挙の実施に向けた取り組みを開始する」と述べた。

国軍の兵士数百人は23日、首都ワガドゥグーの軍事基地を襲撃し、占領したと伝えられている。

カボレ大統領は反乱軍が行動を開始して以来、公の場に姿を見せていないが、ツイッターを2度更新している。最新の投稿は兵士に銃を下すよう求める内容になっているが、カポレ大統領自身がツイートしたかどうかは不明。

テレビ局の近くでAP通信の取材に応じた反乱軍の兵士は「カポレは軍の管理下に置かれている」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

一方、西アフリカを統括するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)は24日の声明で懸念を表明し、反乱軍を非難した。「ECOWASはブルキナファソの政治および治安情勢を注意深く見守っています...」

ブルキナファソと国境を接するマリ北部で進行中のサヘル紛争は地域全体に深刻な影響を与えており、これまでに数千人が死亡、約150万人が避難民になった。フランスとアフリカ連合軍はアルカイダやイスラム国関連組織の取り締まりを進めているが、紛争が終結する見通しは全く立っていない。

一部の市民はジハード組織の取り締まりに失敗したカポレ大統領を非難し、クーデターの成功を祝った。カポレ大統領は先月、対テロ作戦の不始末などを理由に首相を解任したが、反対派勢力は内閣だけでなく大統領も辞任するよう求めていた。

ワガドゥグーの路上ではクーデターの成功を祝うイベントが開催され、数百人が歓喜した。

フランス大使館は24日、仏国民に外出を控えるよう促した。現地メディアによると、フランスの学校は閉鎖され、エールフランスは国際線の運航を停止したという。

カポレ大統領は2015年の選挙に勝利し、2020年11月に再選されたが、ジハード組織の暴力拡大を阻止することに失敗した責任を問われ、国民の不満は日に日に高まっていた。

ジハード組織の攻撃は2016年に本格化し、多くの兵士、警察官、そして民間人が命を落とした。昨年末には兵士50人以上が殺害されている。

反乱軍の兵士はAP通信に、「国民は軍事政権を望んでいる」と語った。

しかし、サヘル紛争の専門家は軍事政権を樹立しても問題は解決しないと警告した。

CIAの元政治アナリストであるマイケル・シュルキン氏はAP通信に、「ブルキナファソ軍は非常に脆弱で装備も整っておらず、ジハード組織との戦いに苦労していた」と述べた。「政府は兵士と警察に戦うよう命じてきました。反乱軍の欲求不満は理解できますが、残念ながら軍事政権を樹立しても問題は解決しないでしょう...」

ワガドゥグーの路上イベントに参加した男性は地元メディアの取材に対し、「私たちはウンザリしている」と述べた。「イスラム勢力は毎日人々を殺しています。カポレに指揮を執る資格はありません。軍事政権はブルキナファソに平和をもたらすでしょう」

西アフリカの政治情勢と治安はサヘル紛争の影響で悪化しており、ブルキナファソの隣国マリとギニアでも昨年クーデターが発生した。

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