◎イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびシリアの領土であるゴラン高原を占領したが、国際社会はこれを認めていない。
2021年12月26日/イスラエル、エルサレムの政府庁舎、ナフタリ・ベネット首相(Nir Elias/Pool/AP通信)

12月26日、イスラエルの保守的なナフタリ・ベネット首相はシリアから強奪したゴラン高原の入植者数を2倍に増やす大規模な開発計画を発表した。

ベネット首相は26日の閣議で、「開発計画はドナルド・トランプ前大統領がイスラエルの主権を認めたことと、ジョー・バイデン大統領がその決定に異議を唱えないと示唆したため、実行段階に入った」と述べた。「時は来ました。ゴラン高原は生まれ変わります...」

ベネット首相は閣僚らに、「イスラエルの目標はゴラン高原のユダヤ人入植者数を2倍に増やすことです」と語った。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびシリアの領土であるゴラン高原を占領したが、国際社会はこれを認めていない。

聖地エルサレムを奪われた数百万人のパレスチナ人はガザ地区とヨルダン川西岸地区に押し込められ、みじめな生活を送っている。

AP通信などによると、政府はゴラン高原の開発に10億シュケル(約360億円)を投資する予定だという。これには、数千の雇用を生み出す観光産業、クリーンエネルギー、テクノロジー産業への投資が含まれる。

占領地であるゴラン高原の開発計画がイスラエルとシリアの関係を悪化させることは間違いない。

ベネット首相は第三次中東戦争後にゴラン高原を占領したことについて、「国際社会はこの開発計画でゴラン高原がイスラエルのものであることを受け入れやすくなり、他の代替案は悲惨な結果を招くだろう」と警告した。

ゴラン高原はイスラエルにとって極めて重要な戦略的拠点のひとつと見なされている。

国連によると、ゴラン高原の住民は約50,000人で、その半分はユダヤ系イスラエル人、半分はシリアのドゥルーズ派アラブ人だという。ドゥルーズ派の一部はイスラエルの占領に強く反対している。

ベネット首相の計画はユダヤ人の人口を倍増させ、アラブ人の影響力を弱めることを目的としている。

声明発表から間もなく、政府の報道官は「ベネット首相の娘(ワクチン接種済み)がコロナ検査で陽性と診断されたため、首相は数日間自宅にとどまることになった」と明らかにした。

地元メディアによると、ベネット首相は閣議前の迅速検査で陰性を確認していたという。また、教育相の娘も陽性と診断された。

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