◎ミャンマーは世界最大のヒスイの産地であり、鉱山では過去に何度も大きな事故が発生している。
2021年12月22日/ミャンマー、北部カチン州のヒスイ採掘場(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

12月22日、ミャンマー北部のヒスイ鉱山で地滑りが発生し、少なくとも70人が行方不明になった。当局によると、これまでに1人の死亡を確認したという。

事故はカチン州のパカンにある鉱山で22日の午前4時頃(現地時間)に発生した。現地メディアなどによると、地滑りに巻き込まれた作業員のほとんどが違法労働者だったという。

ミャンマーは世界最大のヒスイの産地であり、鉱山では過去に何度も大きな事故が発生している。

一部の地元メディアは採掘場に廃棄された瓦礫の山が崩壊し、その影響で土も一緒に流れ出した可能性が高いと報じた。

カチン州当局は現地に約200人の部隊を派遣し救助活動を行った。一部の隊員は採掘場のすぐ横にある湖をボートで捜索した。

救助隊のコ・ニー氏はAFP通信の取材に対し、「負傷者を25人病院に搬送し、このうち1人が死亡した」と述べ、最大100人が地滑りに巻き込まれた可能性があると明らかにした。

AP通信は、作業にあたっていた70人以上の労働者が湖に押し流されたと報じた。APの取材に応じた州当局のニオ・チョー氏は「瓦礫の山と土砂は斜面を約60m流れ下り、労働者を襲った」と述べた。

ミャンマーの規制当局はパカンでのヒスイ採掘を禁じている。地元メディアによると、当時作業にあたっていた労働者の大半が不況とコロナの影響で職を失った地元住民と他の地域の鉱山労働者だった可能性が高いという。

カチン州の治安は2月の軍事クーデター以来悪化し続けており、地元民兵と国軍の戦闘が各地で報告されている。

数日前にもパカンの別のヒスイ鉱山で地滑りが発生し、少なくとも10人の労働者が行方不明になったと伝えられている。2020年7月には産業廃棄物の山が崩壊し、移民などで構成される労働者160人以上が死亡した。2015年11月の崩壊事故でも113人が死亡したと報告されている。

ミャンマーの議会は2018年にヒスイの違法採掘などを取り締まる法律を施行したが、専門家によると、規制当局の要員は非常に少なく、全国の鉱山を監視することはほぼ不可能だという。

違法採掘に反対するグループや活動家はミャンマーの貴重な収入源であるヒスイが軍事政権、犯罪組織、武装勢力、中国の一部企業に流れていると非難した。

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