◎クリスチャンエイドミニストリーの聖職者12人と子供5人は先月中旬、ハイチ東部のクロワ・デ・プーケ地区を支配するギャング「400マウォゾ」に誘拐された。
2021年11月21日/ハイチ、首都ポルトープランスにあるクリスチャン・エイド・ミニストリーの関連施設(Odelyn Joseph/AP通信)

中米ハイチの現地メディアによると、ギャングに誘拐された米国の宣教師グループ17人のうち2人が解放されたという。

オハイオ州に本拠を置く非営利組織クリスチャンエイドミニストリーは21日の声明で2人が解放されたと発表したが、解放された理由やその他の情報は当局の捜査に影響を与える可能性があるため明らかにできないと述べた。

クリスチャンエイドミニストリーは声明の中で、「2人の解放を心から歓迎しますが、関係者はまだ拘束されている15人の安否を懸念しています」と述べた。

クリスチャンエイドミニストリーの聖職者12人と子供5人は先月中旬、ハイチ東部のクロワ・デ・プーケ地区を支配するギャング「400マウォゾ」に誘拐された。

17人のうち16人は米国人で1人はカナダ人。男性5人、女性7人、子供5人で構成され、子供の年齢(誘拐当時)は生後8か月、3歳、6歳、14歳、15歳。地元メディアによると、現地を案内していたハイチ人運転手も誘拐されたという。

400マウォゾは事件から数日後に身代金1,700万ドル(約20億円)をクリスチャンエイドミニストリーに要求し、拒否すれば人質を殺すと脅迫した。

AP通信によると、ハイチ国家警察のスポークスマンは人質2人が解放されたことを認めたという。捜査を支援しているFBI(米連邦捜査局)はコメントを控えた。

ハイチは7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件と8月に発生したM7.2の大地震で大混乱に陥り、ギャングの台頭は進行中の経済・燃料・電力危機に拍車をかけた。国内の主要な燃料ターミナルを占領したギャングはガソリンスタンドへの供給を遮断したため、人々は闇市でガソリンやディーゼル燃料を購入している。

米国はハイチ在住の米国民に帰国を促している。カナダ政府は19日の声明で、大使館の人員を減らす予定と明らかにした。

ガソリン不足の影響は企業、病院、学校、公共交通機関の運営に深刻な影響を与えている。地元メディアによると、地方都市の学校は閉鎖され、一部の企業は就業時間を大幅に短縮したという。

モイーズ大統領暗殺事件の捜査は続いている。地震の復興作業は混乱の影響で思うように進んでいない。

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