◎テキサス州とメキシコの国境付近に設置された移民キャンプに入った移民希望者は最大14,000人以上に膨れ上がった。
2021年9月23日/テキサス州とメキシコの国境近く、不法移民を取り締まるテキサス州の当局者(Felix Marquez/AFP通信)

9月25日、ハイチのアリエル・アンリ首相は国連総会に寄せたビデオ演説の中で、ハイチの不平等と紛争が解消されない限り、進行中の移民流出問題は解決しないと述べた。

アンリ首相は、「私たちは不法入国者を強制送還する権利に異議を唱えません」と述べ、米国当局のハイチ人強制送還を批判しなかった。

テキサス州とメキシコの国境付近に集結したハイチの移民希望者の多くは空路で強制送還されたものの、米国への移住を希望する人は後を絶たず、混乱が続いている。

アンリ首相は、「子供、父親、母親は貧困と混乱から逃れようとするだろう」と強調し、政治的または経済的理由で困難に直面している国々の生活条件を改善するための支援を強化するよう国際社会に呼びかけた。「地球に裕福な国と貧しい国がある限り、移住は続くでしょう。地球で生活する人々の大多数が、極度の貧困に苦しんでいます...」

7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件後に就任したアンリ首相は、8月の大地震と進行中の移民流出問題に直面し、頭を抱えている。新政府は11月7日の総選挙に向け準備を進めていると信じられているが、予定通り行えるかどうかは不明。

AP通信によると、テキサス州とメキシコの国境付近に設置された移民キャンプに入った移民希望者は最大14,000人以上に膨れ上がったという。

テキサス州当局のカウボーイたちは徒歩で川を渡る移民希望者を執拗に追いかけまわし、多くの批判を巻き起こした。

アンリ首相は、カウボーイと移民希望者の写真は人々に衝撃を与えたと述べたが、バイデン政権への批判は避けた。

アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつであるハイチは長い間、政情不安、暴力、致命的な自然災害に悩まされてきた。さらに、コロナウイルスの感染拡大は地域経済に深刻な影響を与え、貧困街の住民の生活は荒廃した。

大統領暗殺事件から1カ月後に発生した大地震の犠牲者は2,200人を超え、12,000人以上が負傷し、53,000軒近くの家屋が破壊された。当局によると、行方不明者の捜索活動は現在も続いており、少なくとも350人以上の行方がまだ分かっていないという。

さらに、ハイチの元検事長は今月、裁判所にアンリ首相を大統領暗殺事件の重要参考人として起訴するよう要請した。アンリ首相は暗殺に関与したとされる容疑者(逃亡中)から事件当日2度電話を受けていたと伝えられている。

アンリ首相は先週、起訴を要請した検事長と法務大臣を突然解任した。一部の政府高官はアンリ首相の動きを司法への介入と見なし、辞任している。アンリ首相は国連に、「容疑者を裁判にかけるために努力している」と述べた。

2021年9月23日/テキサス州とメキシコの国境近くに設置された移民キャンプ(Getty Images/AFP通信)
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