◎ジョブネル・モイーズ大統領は7月7日未明に首都ポルトープランスの自宅で暗殺された。
9月14日、ハイチの主任検察官はアリエル・アンリ首相をジョブネル・モイーズ大統領の暗殺に関与した容疑で起訴するよう裁判所に求め、国外逃亡を阻止するよう警察当局に促した。
モイーズ大統領は7月7日未明に首都ポルトープランスの自宅で暗殺された。妻のマルティーヌ夫人も重症を負い米フロリダ州の病院に入院したが、7月中旬に退院し、ハイチに戻っている。
モイーズ大統領は暗殺される数日前にアンリ氏を新首相に任命していた。
大統領暗殺事件に関連する捜査の情報は8月14日の地震以来、ほとんど伝えられていなかった。
ベッドフォード・クロード検察官は裁判所に提出した書簡の中で、アンリ首相はモイーズ大統領が暗殺された数時間後に主要な容疑者のひとりであるジョセフ・バディオと電話で話していたと指摘した。
バディオ容疑者の行方は分かっていない。
クロード検察官によると、バディオ容疑者とアンリ首相は7月7日の午前4時3分と午前4時20分に電話で話し、その時パディオ容疑者はモイーズ大統領の自宅近くにいたことが通話記録で判明したという。
パディオ容疑者は法務省と政府の腐敗防止部門で働いていたが、倫理規則に違反したとして今年5月に解雇された。
クロード検察官は書簡の中で、「アンリ首相は当時、首都ポルトープランスのホテルモンテナに滞在し、バディオ容疑者と約7分通話した」と述べた。アンリ首相は先月、バディオ容疑者とは話していないとツイートしていた。
一方、法務大臣は13日、クロード検察官に対する脅迫を確認したと明らかにし、国家警察にクロード検察官の警備体制を強化するよう命じた。
事件を担当するギャリー・オレリエン判事は、クロード検察官の要求を調査する必要があると判断し、3カ月間の猶予を与えている。
アンリ首相は11日に政治家や市民団体の指導者と会談した際、ハイチの安定を確保するために全力を尽くしていると述べ、大統領暗殺に関与した者は逮捕されると約束した。「召喚状、脅迫、その他のいかなる攻撃も、私の使命を邪魔することはできません。大統領暗殺の首謀者は逮捕され、公正な裁判にかけられ、罰せられるでしょう...」
警察はこれまでに元コロンビア兵18人を含む40人以上を逮捕し、暗殺に関与したとされるバディオ容疑者や元ハイチ上院議員などの行方を追っている。