◎エチオピアの選挙管理委員会によると、アビィ・アハメド首相の与党繁栄党は人民代表院(下院)の436議席中410議席を獲得したという。
エチオピアの選挙管理委員会は10日、先月21日に行われた総選挙の結果を公表した。
委員会によると、アビィ・アハメド首相の与党繁栄党は人民代表院(下院)の436議席中410議席を獲得したという。新政府は10月に発足する予定。ただし、国の約5分の1は治安の悪化と票の集計および運送の問題によりまだ投票できていない。
人民代表院の定数は547人であり、繁栄党が過半数を維持することは確定した。
世界最悪の飢餓に直面している北部ティグライ地域は現在、ティグライ国防軍(TDF)の支配下に置かれている。
影響を受けた地域の投票日は9月6日に設定されているが、ティグライの日付は明らかにされていない。
選挙は昨年行われる予定だったが、コロナウイルスの影響で延期されていた。
2019年にノーベル平和賞を受賞したアビィ首相は10日、「有権者に感謝する」という声明をツイッターに投稿した。
一方、野党は政府の厳しい取り締まりとコロナウイルスの影響でまともに選挙活動を行えなかったと主張した。
地元メディアによると、エチオピア社会正義市民党は役人や民兵の妨害行為を非難し、200件以上の異議申し立てを当局に提出したという。
エチオピア人権委員会(EHRC)は今回の選挙と投票について、「深刻な人権侵害は確認されなかった」と述べたが、一部の選挙管理当局者によるジャーナリストや選挙オブザーバーなどへの「逮捕、脅迫、嫌がらせ」を確認したと報告した。
オロミア州では選挙期間中に「数人の関係者が殺害された兆候が見られた」と伝えられているが、詳細は不明。
EUは5月、エチオピア政府は選挙の独立性を保証しなかったと非難した。
昨年11月に勃発したティグライ紛争の死者は数千人に上ると伝えられているが、戦闘地域周辺に立ち入ることは許可されておらず、通信網もほぼ遮断されているため、正確な死者数は誰にも分からない。
国連は7月2日の声明で、ティグライ地域の住民40万人以上が過去数十年で最悪の飢餓に直面し、少なくとも180万人が深刻な食糧危機に瀕していると警告した。