◎パッキャオ上院議員は以前、「政治家の汚職はドゥテルテ政権下で2倍に増加した」と主張し、友人のロドリゴ・ドゥテルテ大統領を厳しく非難していた。
2021年6月12日/フィリピンのブラカン州議会議事堂、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(AP通信/アーロン・ファビラ)

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は28日に放送されたテレビ演説の中で、「私に余裕があれば次の副大統領に立候補するかもしれない」と述べたうえで、友人のマニー・パッキャオ上院議員を公の場で初めて非難した。

フィリピンの憲法は大統領の任期を1期限りとしている。2人の元大統領は下級公職に就くことを許可されたが、副大統領に就任した者はまだいない。ドゥテルテ大統領のテレビ演説は物議を醸し、野党は「最悪の冗談」と非難した。

副大統領は法律に基づき、大統領とは別に選出される。大統領が死亡もしくは何かしらの理由で職務を遂行できなくなった場合、副大統領が暫定大統領に就任する。

違法薬物を嫌悪するタフはドゥテルテ大統領は政治家の汚職問題は悪化していると非難されたことに憤慨し、長年の同盟国である元プロボクサー選手のパッキャオ上院議員を非難した。

パッキャオ上院議員は以前、「政治家の汚職はドゥテルテ政権下で2倍に増加した」と主張し、友人の大統領を厳しく非難していた。ドゥテルテ大統領はこの発言に憤慨し、2倍に増加したという証拠を提示しなかった場合、パッキャオ上院議員の追放に向けた運動を開始すると脅迫した。

ドゥテルテ大統領は演説の中で、「パッキャオは何も言わず、私を称賛してきた」と述べた。「元プロボクサーは私を何度も称賛しました。しかし、今になって突然、大統領は堕落したと言いました。パッキャオは証拠を提供しなければなりません。拒否すれば自分のウソを認めたことになります。あなたは嘘つきです」

パッキャオ上院議員は29日、政治家の汚職および腐敗の詳細を提供すると約束し、「ドゥテルテ大統領は汚職を主導していることを認めなければならない」と反発した。

パッキャオ上院議員は「私は大きな間違いを犯した」と述べ、ドゥテルテ大統領を支持したことは間違いだったと公の場で宣言した。「コロナウイルス関連予算の調査は始まっています。私は嘘つきでも詐欺師でもありません」

現地メディアによると、ドゥテルテ大統領のフィリピン民主党・国民の力は7月16日と17日に会談し、来年5月9日の総選挙の候補者リストを固める予定だという。候補者リストの提出期限は10月8日。

ドゥテルテ大統領は先月開催された予備会議の中で党員から副大統領に立候補するよう促され、承認した。伝えられるところによると、ドゥテルテ大統領は政界引退を示唆していたが、その気になったという。

野党連立政党の1サンバヤンを率いるハワード・カレハ党首は、「現職大統領の副大統領立候補は憲法を嘲笑している」と述べた。「最悪の冗談です。笑える...」

ドゥテルテ大統領は違法薬物の取り締まりで国際的な悪評を得ているが、支持率は高水準を維持している。

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