◎紛争は昨年11月に激化し、北部ティグライの住民推定200万人が国内避難民になり、数万人が隣国スーダンに逃亡し、数千人が死亡した。
6月28日、エチオピア政府は北部ティグライ地域で約8カ月間続いた致命的な紛争の停戦を宣言した。
国軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)は国際社会から大量虐殺と非人道的な行為で非難されてきた。政府はTPLFをテロ組織に指定している。
国連は今月初め、ティグライの住民推定500万人が食料援助を必要とし、子供を含む35万人以上が餓死しかけていると報告した。
エチオピア政府の声明によると、ティグライを支配してきた暫定政権は州都メケレから逃亡し、人道的な理由で政府に停戦を求め、住民に援助を提供するよう要請したという。
国営メディアは、「農民は自分たちの土地に帰還し、軍隊の制限を受けることなく活動し、平和を求める(ティグライの元与党の)残党と新たな地方自治の確立に向けて活動できるようになる」と述べ、ティグライの元指導者が戻ってくることを示唆した。
停戦は農作物の植え付けと収穫が終わるまで続くと伝えられている。政府はすべての地方当局に停戦宣言を尊重するよう命じた。アムハラ地域の地方当局とゲリラ軍はティグライ西部で残虐行為に関与したと伝えられている。
ロイター通信によると、ティグライの指導者のひとりと考えられているゲタチュー・レダ氏は取材に対し、「州都メケレは政府の管理下に置かれている」と述べたという。
メケレのある住民はロイター通信に「政府の新たな門出を祝っている」と述べたが、別の住民はAFP通信に「TPLFの戦闘員を見た」と語った。
TPLFは停戦に関する公式声明を発表しておらず、ティグライで大量虐殺に関与したとされる隣国エリトリアからも反応はなかった。エリトリア政府はTPLFを目の敵にしており、エチオピア政府に加担したと信じられている。
紛争は昨年11月に激化し、ティグライの住民推定200万人が国内避難民になり、数万人が隣国スーダンに逃亡し、数千人が死亡した。
TPLFは他の反政府勢力と連合を組み、ティグライ国防軍(TDF)を結成したと伝えられているが、エチオピア政府はTDFの存在を否定している。
2019年にノーベル平和賞を受賞したエチオピアのアビィ・アハメド首相は21日に行われた総選挙で圧勝すると期待されている。一部地域の投票日は治安、票集計、票の運搬などの問題で9月に延期されたが、ティグライの投票日はまだ発表されていない。