◎詐欺罪で裁判にかけられているベンヤミン・ネタニヤフ首相は、今年3月の議会選挙で単独過半数を獲得できず、ヤミナ党との連立政権樹立に失敗した。
現地メディアによると、イスラエルの主要野党はベンヤミン・ネタニヤフ首相の時代に終止符を打つ野党挙国一致内閣の樹立を支持したという。
ヤミナ党のナフタリ・ベネット党首は5月30日の演説で、中道派のヤイール・ラピッド党首と力を合わせることに合意したと述べた。「私は友人のヤイール・ラピッドと一緒に統一政府を樹立するために最善を尽くすつもりです。そうすれば、神は喜んで国を窮地から救い、イスラエルは本来あるべき軌道に戻ることができます...」
両党首は6月2日までに協力するかどうかを決断しなければならない。ラピッド議員のイェシュ・アティッド党の交渉チームは、30日遅くに協議を開始すると述べた。
一方、与党リクード党のネタニヤフ首相は、「野党の取引はイスラエルを弱体化させる」と述べた。
詐欺罪で裁判にかけられているネタニヤフ首相は、今年3月の議会選挙で単独過半数を獲得できず、ヤミナ党との連立政権樹立に失敗した。
＜2021年3月の議会選挙：120議席＞
・リクード党：30議席
・イェシュ・アティッド党：17議席（反ネタニヤフ）
・シャス党：9議席
・青と白：8議席（反ネタニヤフ）
・ヤミナ党：7議席（反ネタニヤフ）
・労働党：7議席（反ネタニヤフ）
・イスラエル・ベイテヌ：7議席（反ネタニヤフ）
・トーラー・ユダヤ連合：7議席
・新しい希望：6議席（反ネタニヤフ）
・合同リスト：6議席（反ネタニヤフ）
・宗教シオニズム：6議席
・メレツ党：6議席（反ネタニヤフ）
・ラアム党：4議席
ヤミナ党とイェシュ・アティッド党に政治的な共通点はほとんどないが、ネタニヤフ首相を追放したいという願望では完全に一致している。専門家は地元メディアのインタビューの中で、「両党首は一部の保守派、リベラル派、中道派議員から支持を集めると思う」と述べた。
ネタニヤフ首相は30日に放送された声明の中で、「ベネット議員はイスラエルの保守派を裏切った」と非難し、左翼内閣の樹立を阻止しなければならないと述べた。「左翼はイスラエルの安全と国家の将来を脅かす危険な存在です...」
一方、ネタニヤフ首相の元補佐官であるベネット議員は、再選挙を阻止するための劇的な一歩を踏み出したと語った。「強硬な右翼に過半数を与えるべきではありません。挙国一致内閣は私たち野党が協力することで初めて成立します」
ベネット議員は、「夢の実現に向けた政策は延期する必要がある」と強調した。「政府は解決不可能な問題に力を注ぐのではなく、できることに集中しなければなりません」
ネタニヤフ首相は首都エルサレムを含む統一イスラエルの樹立を目指しているが、ベネット議員はまずは目の前の問題に注力しなければならないと強調することで、中道派とリベラル派の支持を集めたいと考えている。
リクード党はベネット議員と他の野党幹部と29日に協議し、首相のイスを共有したいと提案したが、申し出は拒否されたと伝えられている。
追い詰められたネタニヤフ首相はアラブ政党の力を借りようとしたが、この提案もあっさり拒否された。アラブ政党が連立政権に加わったことは一度もない。
ラピッド議員は6月2日までに野党をまとめ上げる必要があるが、連立に向けた交渉は5月10日に勃発したガザ紛争の影響で中断されていた。
現地メディアによると、ラピッド議員のイェシュ・アティッド党は他の3政党と連立協定を結んでおり、ベネット議員との交渉がまとまれば、他の反ネタニヤフ政党も連立に合意する可能性が高いという。
