◎事故を起こした列車は首都台北市から台東市に向かっていた太魯閣(たろこ)急行列車。8両編成。
地元メディアによると、台湾東部花蓮県(かれんけん)の旅客列車がトンネル内で脱線し、少なくとも36人が死亡、数十人が負傷したという。
国家消防局の最新の報告によると、乗客は490人、死者は少なくとも36人、66人が負傷し、200人以上が車内に閉じ込められたままだという。
台湾の中央緊急オペレーションセンターはロイター通信の取材に対し、「救助隊はトンネル内で停止した4台の車両へのアクセスに苦労している」と述べた。
事故を起こした列車は首都台北市から台東市に向かっていた太魯閣(たろこ)急行列車。8両編成。
報道によると、事故は現地時間4月2日午前9時30分頃に太魯閣渓谷の景勝地付近で発生したという。花蓮県の当局者は声明で、救助作業を続けていると述べた。
中央通信社は、「整備用トラックが崖からトンネル手前の線路に落ち、列車と衝突した可能性がある」と報じた。トンネル内に閉じ込められた乗客はドアや窓から車外に脱出し、一部は屋根をつたって外に出たという
事故地点近くの駅
花蓮県の救助部隊によると、列車はトラックと衝突した影響で大きく破損し、先頭車両から5号車が特に大きな被害を受けたという。
中央通信社の公式ウェブサイトに投稿された動画には、トンネル入り口近くの車両のドアから脱出を試みている乗客の姿を確認できた。中央通信社によると、運転士も死亡したという。
事故は台湾や中国で墓掃除の日と呼ばれている「清明節(せいめいせつ)」の直前に発生した。列車には故郷に帰省する家族連れも多数乗車していたと伝えられている。
2018年10月に台湾北東部の沿岸地域で急行列車が脱線した事故では、少なくとも18人が死亡し、200人以上が負傷したと伝えられている。
1981年に西部で発生した列車同士の衝突事故では、30人が死亡し、112人が負傷した。
台湾は北部の首都台北と西部の嘉義市や台中市周辺エリアに住宅が密集しており、人口の比較的少ない東部は観光地として人気を集めている。なお、観光客の多くは峻険な山道ではなく、沿岸部を走る列車もしくは道路を利用する。
台湾の鉄道システムは近年大幅に増強されており、首都台北と南部を結ぶ高速鉄道は利便性を大きく向上させた。