◎2012~2014年、リーダーのエンリケ・タリオ氏は麻薬、ギャンブル、密入国に関与した13人の犯罪者に関する情報を当局に提供し、逮捕に貢献した。
◎プラウド・ボーイズのスローガンで有名なものは、「起業家を称賛する」「国境を閉じる」「全ての人に銃を与える(リバタリアニズム)」「主婦を崇拝する(女性は家庭を守るもの)」などである。
Getty Images/プラウド・ボーイズのエンリケ・タリオ氏

米地方裁判所の記録によると、トランプ前大統領を支持する極右集団プラウド・ボーイズのリーダーは、連邦捜査局(FBI)と地方警察の貴重な情報提供元だったという。

2012~2014年、リーダーのエンリケ・タリオ氏は麻薬、ギャンブル、密入国に関与した13人の犯罪者に関する情報を当局に提供し、逮捕に貢献した。

一方、タリオ氏はロイター通信の取材に対し、「その報道は間違っている」と反論している。

同氏は2018年からプラウド・ボーイズを率いてきたが、連邦政府の内偵者だったということは全く示唆されていなかった。

地方裁判所の記録は関係者を驚かせている。

タリオ氏は1月6日のDC暴動の2日前に他のグループのメンバーがワシントンD.C.で主催したイベントに参加し、逮捕された。

同氏は大型ライフル銃(2丁)の所持および、12月の集会中にDCの教会のブラック・ライヴズ・マターの旗を燃やした罪で起訴された。

ロイター通信は、2014年にフロリダ州の裁判所で行われた公聴会の記録を引用している。タリオ氏と他の2名は、糖尿病の血糖テストストリップの販売に関連する詐欺事件で有罪を認めた。

タリオ氏の弁護士は、同氏が2012年の逮捕以来、連邦および地方の法執行機関に情報を提供し容疑者の逮捕に貢献したと指摘したうえで、寛大な判決を求めた。

検察官もタリオ氏の内偵捜査が13人の起訴につながったと認めている。

タリオ氏を弁護したジェフリー・ファイラー弁護士は当時、裁判官に「彼はあらゆる点で連邦政府に協力し、素晴らしい結果を残した。これほど素晴らしい内定者を私は知らない」と述べている。

結果、裁判官は懲役30カ月を16か月に短縮した。

2020年9月26日 Getty Imagesオレゴン州ポートランドの端にあるデルタパーク、トランプ大統領を支援する極右集団プラウドボーイズのメンバー

ファイラー弁護士はロイター通信の取材に対し、「私の発言は法執行機関と検察官から得た情報に基づいていた」と述べた。

しかし、タリオ氏は報道を完全否定したうえで、「FBIや警察の捜査に協力したことはない。私は何も知らないし、覚えていない」と主張している。

エンリケ・タリオ氏:
「私が減刑されたことは事実だ。しかし、それは、私と一緒に逮捕された者が警察や裁判官の主張を打ち負かしたためだ

極右集団プラウド・ボーイズは、カナダとイギリスを拠点とする右翼活動家のギャビン・マキネス氏が2016年に設立した。

構成員たちは左翼に対する暴力や誹謗中傷を繰り返し、トランプ前大統領の反移民政策などをバックアップした。

プラウド・ボーイズのスローガンで有名なものは、「起業家を称賛する」「国境を閉じる」「全ての人に銃を与える(リバタリアニズム)」「主婦を崇拝する(女性は家庭を守るもの)」などである。

トランプ前大統領は昨年10月の第1回大統領討論会でプラウド・ボーイズを紹介した。この時、前大統領は、「誇り高き少年たちは立ち止まって待機する」と発言し物議を醸したが、後に距離を置いた。

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