◎1月26日に首都ニューデリーで発生した農業改革に抗議する暴動で、少なくとも200人が逮捕された。
◎警察当局は声明で、「抗議者1名が死亡、警察官300人以上が負傷した」と述べた。
2021年1月26日 Getty Images/インド、首都ニューデリー

現地メディアによると、1月26日に首都ニューデリーで発生した農業改革に抗議する暴動少なくとも200人が逮捕されたという。

抗議集会中、数千人の農民が許可されたルートから外れ、機動隊と衝突した。

警察当局は声明で、「抗議者1名が死亡、警察官300人以上が負傷した」と述べた。

抗議を主催する団体および主催者たちは、平和的な抗議活動が暴動に変わったことを厳しく非難した。

主催者のひとりはメディアに、「暴徒たちは平和的な抗議活動を破壊した。彼らは皆の静止を無視し、警察に襲いかかった」と語った。

また、別の主催者は、「望ましくない、容認できない出来事を非難する。暴動に走った一部の暴徒と私たちの関係を切り離す。彼らはひとり残らず逮捕されるだろう」と憤った。

逮捕された者たちは、暴動、公共財産の破壊、警察官に対する暴力などの罪に問われる可能性がある。

当局者はインド新聞の記者に対し、「レッドフォート(赤い城)などの暴動が発生した地点周辺の監視カメラを調査し、容疑者を逮捕している」と述べた。

政府は15の準軍組織をニューデリーに配備し、治安維持活動を強化すると発表した。

1月26日は憲法を正式に採択したインド共和国記念日であり、ナレンドラ・モディ首相と閣僚はニューデリーで開催された式典に出席していた。

赤い城

暴動を受け、2つの農民組合が抗議活動から撤退すると発表したが、大半の農民および団体は「新しい農業法が取り消されるまで抗議し続ける」と決意表明した。

政府は農業改革がインドの農業の発展につながると主張している。しかし、農民は改革が大企業に富を与え、小規模農家はより貧しくなると信じている。

新しい農業法は昨年9月に議会を通過し、それ以来、数万人がニューデリーなどで抗議活動を行ってきた。政府は18カ月の施行準備期間を設けると団体に提案したが、指導者たちは申し出を却下している。

暴徒たちは警察のバリケードを破壊し、警察官を打ち負かし、赤い城の頂部に団体の旗を掲げ、農業法の取り消しを訴えた。

警察当局によると、公共施設を占拠した者たちの排除は26日午後までに完了したという。

最も激しい衝突はニューデリー中心部の地下鉄駅周辺で発生した。ソーシャルメディアに投稿された動画には、警察が催涙ガス弾を撃ち込む様子、暴徒が警察官に襲いかかる様子などが映っていた。

当局者はトラクターの運転手がバリケードに衝突した衝撃で道路に投げ出され、死亡したと述べた。

2021年1月26日 ロイター通信/インド、首都ニューデリー

新しい農業法

・農産物の販売、価格、保管に関する規則を緩和する。

・農民たちは新しい法律が数十年前に設定されたルール(価格保障など)を脅かし、交渉力を弱め、小規模農家は大企業に押しつぶされると主張している。

・モディ首相はインドの農業を守ると訴えてきたが、農業改革は「死刑執行」と呼ばれ、脆弱な小規模農家の怒りを引き起こした。

・ほとんどの経済学者と専門家はインドの農業には改革が必要だと主張している。

・一部の専門家は、「法律を可決する前に団体に相談しなかった結果、混乱を招いた」と指摘した。

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