◎農民たちは物議を醸している新しい農業法は「大企業を保護し、小規模農家を破壊する」と主張し、2か月ほど前から抗議活動を行ってきた。
◎地元メディアによると、抗議者1名が死亡、警察官80人以上が負傷したという。
1月26日、インドの首都ニューデリーで農業改革に反対する農民が大規模な抗議活動を決行し、警察と衝突した。
地元メディアによると、抗議者1名が死亡、警察官80人以上が負傷したという。
農民たちはインド共和国記念日に徒歩と10,000台以上のトラクターで首都を突き進み、多くの抗議者が合意を得たルートから逸脱した。
当局は一部地域のインターネット通信を遮断し、機動隊に秩序の回復を指示したと伝えられている。
17世紀に建てられたムガル帝国の宮殿「赤い城」に乗り込んだ一部の農民は施設を占拠し、その様子はインド全土に生中継され市民にショックを与えた。
農民たちは物議を醸している新しい農業法は「大企業を保護し、小規模農家を破壊する」と主張し、2か月ほど前から抗議活動を行ってきた。
農民のひとりは地元メディアの取材に対し、「私たちはモディに農民の強さを示したい。私たちは降伏しません」と語った。
政府はまだ公式声明を発表していないが、地元メディアによると、アミット・シャー内務大臣はデリー警察から状況の報告を受けるための会合を開催したという。
昨年9月に議会で可決された新しい農業法は農産物の販売、価格、保管に関する規則を緩和する。
農民たちは新しい法律が数十年前に設定されたルール(価格保障など)を脅かし、交渉力を弱め、小規模農家は大企業に押しつぶされると主張している。
ナレンドラ・モディ首相はインドの農業を守ると訴えてきたが、政府による農業改革は「死刑執行」と呼ばれ、脆弱な小規模農家の怒りを引き起こした。
ほとんどの経済学者と専門家は、インドの農業には改革が必要であることに同意している。しかし、一部の専門家は、「法律を可決する前に団体に相談しなかった結果、混乱を招いた」と指摘した。
警察当局は抗議活動の主催者に、「ニューデリー中心部で開催される共和国記念日パレードに影響を与えない」という条件で集会を許可した。
農民たち定められたルートを進むよう指示されていた。しかし、数千人がルートを無視し、バリケードを破壊し、警察官を打ち負かした。
赤い城を占拠した集団は剣を掲げ、頂部に設置された国旗の横に別の旗を取り付けた。
武器を持った農民のひとりは地元メディアの取材に対し、「私たちはモディにメッセージを届けるために来ました、私たちは戻ってきます。やりたいようにやります。貧しい人々を殺す法律を受け入れることはできません」と新たな抗議を決行すると示唆した。
政府は以前、法律を改正したうえで、18カ月の施行準備期間を設けると申し出ていた。しかし、農民たちは新しい農業法の完全な廃止を要求し、無視すれば「2月1日に議会周辺で大規模な抗議活動を行う」と主張している。
公式記録によると、農民の半数以上が債務の返済に苦労し、2018年と2019年の自殺者は2万人を超えたという。
警察当局は記者団に対し、「ルートを無視した一部の暴徒が暴力と破壊行為に打って出た」と述べた。
抗議の主催者も「暴力は許されない」と同様の声明を発表している。